「4月にWEBマガジンのインタビューで『執着心がない』と話していたのが印象的でした。昔は『頑張ろう!』と気負っていた時もあったそうですが、オファーがなければ役を演じられないのが役者という仕事。執着心が強いと負のループに入った場合、抜け出せなくなってしまうような気がして、何度もつまずく中で悟ったそうです。また、2月に掲載された別のインタビューでも『固定概念に惑わされずに、自分が“楽しい”“幸せ”と思える選択ができる方がいいのではないかと思います』とも言っていました。キャリアを重ねていくなかで肩の力が抜けて、より自然体になってきているのではないでしょうか」(同)

■コロナ禍は滝行で鍛え上げる

 とはいえ、元来のストイックさはまだまだ健在のようだ。女性週刊誌の芸能担当記者は言う。

「『修行をするのが最近好き』と、5月に行われた出演映画のイベントで明かしていました。滝行に行ってきたそうで、『こういうご時世ですから、心身ともに鍛え上げていこうかなっていうのがありまして、修行をこれからはしていこうかな』と意欲を示していました。かっこよさは健在ですが、ただストイックでスタイル抜群というだけではなく、柔らかさも出てきた。さらに大人の余裕が出てくれば、将来は『理想の上司』のようなポジションにハマっていくかもしれません」

 ドラマウオッチャーの中村裕一氏は彼女の今後について、こう分析する。

「『TOKYO MER~走る緊急救命室~』の第3話では、一人の母親として懸命に自転車をこいで娘を保育園へ送り届ける姿と笑顔がとても新鮮でした。悪女でもそれ以外の役でも、彼女の演技から伝わってくるのは揺るぎない意思と芯の強さ。これまでのキャリアと相まって、自分自身の信念を持つキャラクターを演じれば今、右に出る者はいないでしょう。ドラマ全体の雰囲気を引き締める存在感と雰囲気を持っていることは間違いないので、これからもきっとさまざまな作品でその勇姿を見せてくれることでしょう」

「ドSの美女」「強い女性」というイメージが「頼りがい」へと変化しつつある菜々緒。これから、どんな進化を見せてくれるのか注目だ。(丸山ひろし)

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丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

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