突然の訃報と共に大きな反響を呼んだのが、6月28日に球団親会社の職域接種を受けていたことだった。木下さんは1回目のワクチン接種日から8日後に倒れた。現時点ではワクチンとの因果関係はわかっていない。厚生労働省はワクチン接種当日の激しい運動は避けるように呼びかけている。だが、この基準も国によって違う。シンガポール保健省が5日に公表した新型コロナウイルスワクチンの最新ガイドラインでは、接種から1週間は激しい運動を控えるよう勧告している。

 木下さんと対戦した他球団の選手もショックを隠せない。

「まだ27歳の若さで…。ネットニュースで訃報を知った時は、ぼうぜんとして言葉が出ませんでした。なぜこんなことになったのか。僕はワクチン反対派ではないし、2回受けています。ただこういうことが起きると不安になります。ワクチンの因果関係はどうなのか気になります。アスリートは毎日激しい運動をしていますし、一般の方たちと身体に掛かる負荷が違う。1年後にまたワクチン接種を受けてくれと言われてもちょっと考えてしまう」

 激しい運動はいつまで控えるべきか。本当に接種当日だけ控えればいいのか。木下さんとの死因とワクチン接種の因果関係は不明だが、アスリートがワクチン接種について不安を覚えるのは致し方ないだろう。(梅宮昌宗)