東京2020大会では、競泳の高橋航太郎選手、自転車の橋本英也選手、カヌーの宮田悠佑選手が出場する。高橋選手は鹿屋体育大のウェブサイトで母校愛を披瀝している。

「鹿屋体育大での4年間は、これまでで1番きつくて楽しくて最も成長できた4年間でした。鹿屋での土台がなければ今の自分はいないと思います。在学中に開催が決まった東京オリンピックに当時は出られるとは思っていませんでしたが、諦めずにやってきて良かったです。子どもの頃から夢に見てきたオリンピックなので、精一杯噛み締めて楽しんで頑張ってきたいと思います」(2021年4月8日)

 東京学芸大出身者には、7人制ラグビーの小出深冬選手、陸上の卜部蘭選手がいる。小出選手は中学時代から本格的にラグビーをはじめて、地元のクラブチーム、横濱ラグビーアカデミーで技術を身につけた。横浜市立金沢高校3年のとき日本代表となる。16年大会ではチーム最年少の20歳で代表に選ばれた。東京2020大会では、チーム最年長で唯一の2大会連続出場者であり、若手には頼りになるベテランとなった。

 神奈川県のウェブサイトには、小川選手からオリンピック経験者ならではのメッセージが寄せられている。

「大変な思いをされている方が多くいる中、私たちはラグビーができることを当たり前と思ってはいけないと感じています。多くの方への感謝の気持ちを忘れず、全力でプレーします。個人的には2度目のオリンピック。自分もチームもこの5年間でどれだけ成長したかを示す大会だと思います。女子ラグビーの歴史に良い結果を上乗せできるよう頑張ります」(2021年7月19日)

 大阪教育大出身は、女子ハンドボール「おりひめジャパン」のゴールキーパー、板野陽(みなみ)選手だ。板野選手は総社南高校卒。同校はインターハイ出場経験があるものの、全国レベルの強豪校とまでは言えない。地元紙・中国新聞では「無名から咲いた努力家」(2021年7月6日)と報じられた。

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「イケクミ」を生んだ地方国立大は