男子200メートル個人メドレー決勝に出場した瀬戸(左)と萩野(c)朝日新聞社
男子200メートル個人メドレー決勝に出場した瀬戸(左)と萩野(c)朝日新聞社

 日本のエース・瀬戸大也の表情は穏やかだった。男子200メートル個人メドレー決勝で銅メダルに100分の5秒届かず、1分56秒22で4位。この種目でリオ五輪銀メダルの萩野公介は6位で、1分57秒49だった。

【写真】「居酒屋のユニホーム」と酷評された東京五輪表彰式の衣装はこちら(他5枚)

 瀬戸はレース後のインタビューで、「いまできる精一杯の力を出しました。すっきりしています。最後メダル獲りたかったですし、獲れなかったのは少し残念だけど、公介と一緒にこの夢の舞台で泳ぐことができて幸せですし、2人で戦えたことが幸せでした」と語った。

 日本代表がメダルラッシュに沸く中、金メダル候補の瀬戸は苦しんだ。「400m個人メドレー」、「200mバタフライ」とメダルどころか決勝進出を逃す。金メダルの大本命と目されていた400メートル個人メドレーで最後に失速した。レース後に「リオで予選を結構いってしまって、決勝上がらなかったというのがあったので、そういう経験も踏まえて、かなり泳ぎの方が良かったので、後半から上げてくる子たちが多かった中で焦らず、明日上がるように泳げばいいやと泳いだんですけど」と発言すると思わぬ事態に。SNS上で、「調子に乗りすぎ。言い訳しないで欲しい」など批判のコメントが殺到した。

 批判の声はさらに高まる。報道によると、瀬戸はバタフライ予選後に「いろいろ言われてめっちゃむかつきますけど……。戦っているのは自分だし、気にもしつつ、あまり気にしない所もあるので。そういうのも含めてパワーに変えていきたい」とコメント。「むかつく」発言でネット上の炎上がさらに広がり、昨年9月の不倫騒動も蒸し返される事態になった。

「瀬戸はビッグマウスで自分を鼓舞している部分がある。ただああ見えて繊細なんです。400メートル個人メドレーの予選敗退は相当ショックを受けただろうし、悔しさもあってああいう発言になった。ただ誰を傷つけるわけでもなく、インタビューを全部聞いたら分かりますが、レース戦略を話しているだけで傲慢になっているわけではない。ネットが炎上するなんて想像もしていなかったでしょう。さらに心が弱ったと思います。ちょっと誤解されているというか…『大会中なんだからこれ以上叩かないでくれ』と思いました」(スポーツ紙記者)

次のページ