
東京五輪の開幕が迫り、開会式の国歌斉唱を誰が行うのか、注目が集まっている。無観客とはいえ、日本だけではなく世界からも注目が集まる一瞬だ。人選には、歌唱力だけではなく、国内外の知名度やそのメッセージ性なども問われる。誰が国歌斉唱を務めるのか。
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人選については当然、大会組織委員会からかん口令が敷かれるトップシークレットだ。組織委の広報担当も「公表の予定はない」という。直前まで誰が歌うのかわからないということだ。
そこでAERAdot.編集部では誰が国歌斉唱をするのか、音楽の専門家やスポーツ紙記者に予想してもらった。
「歌唱力はもちろんですが、老若男女に受け入れられる人が良いでしょう」
こう話すのは音楽評論家の原田和典さん(51)だ。若い世代に人気のアーティストも多いが、東京五輪は国民的行事だ。やはり年配の人にも受け入れられる人選が重要だという。そういう観点から最も注目するのは、演歌歌手の氷川きよしさんだ。「今の時代に合った人物」と見る。
最近の氷川さんは、ジェンダーレスを志向している。2019年に「男らしさを強いられて自殺したくなったこともあった」と告白。その後、ジェンダーレスな姿を自身のSNSでたびたび見せている。
いまツイッターでも「私が開会式の監督だったら、氷川きよしを選んでいる」などと氷川さんを推すコメントが溢れていて、多様性を象徴する人物としても期待が高まっている。原田さんはこう指摘する。
「LGBTなど少数者と言われる方も積極的に受け入れていこうと、社会が変わりつつあります。そうした中で、氷川さんは幅広い世代に知られており、かつ、歌唱力も抜群で、非常に華やかです。演歌だけではなく、ロックやポップスにも音楽の幅を広げているのもいい。氷川さんが登場すれば、人々の気持ちがピースフルな感じにまとまることができるのではないでしょうか」
原田さんが他に予想するのは、演歌歌手の天童よしみさんだ。天童さんも演歌の枠にとどまらず、ジャズやポップスも取り入れ、歌の幅を広げており、認知度も高い。「多くの人を笑顔にできる」と見る。