男性に生まれ、女性として就活した慶大卒のトランスジェンダーが語る就職活動 (1/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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男性に生まれ、女性として就活した慶大卒のトランスジェンダーが語る就職活動

サリー楓さん( 写真/(C) 2021「息子のままで、女子になる」)

サリー楓さん( 写真/(C) 2021「息子のままで、女子になる」)

 政府が企業に要請している入社面接などの選考活動が6月1日に解禁され、2022年春卒業予定の大学生の就職活動は今がまさにピーク。自己PRや志望動機は自分自身をさらけ出す側面もあるが、トランスジェンダーの人たちは? 

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 厚生労働省は履歴書の性別欄に男女の選択がない書式案を作成したり、民間でもLGBT当事者が働きやすい環境を整える企業が今増えつつある。8歳から建築家を夢見て慶応義塾大学大学院で建築学を学び、トランスジェンダーとして就活を経験し、日建設計で社会人3年目を迎えたサリー楓さんに聞いた。

*  *  *
――単刀直入に就活の履歴書の性別欄は男女どちらにマルを?

 履歴書では戸籍情報を聞かれているんだと思って、男性にマルしました。

――カミングアウトした上で就活して良かったことは? 

 自分らしく表現できたことです。就活って自分のこれまでの経歴や長所・短所を振り返り、第三者の視点に立って、自分と社会との距離感を俯瞰的にとらえる機会。そういうタイミングでカミングアウトしたことによって、トランスジェンダーであることが社会にとってどのような意味を持つのか、社会と会社にどんな価値を提供できるのか、真剣に考えることができました。ジェンダーの説明は、履歴書の備考欄ではなく自己PRの記入欄に書きました。

――具体的にどう書いたんですか?

 現在働いている会社は国際的にも利用されるプロジェクトを手掛けることが多く、さまざまな立場の方々がその施設を利用します。11人に1人ぐらいの割合でLGBT当事者がいるとも言われているので、施設利用者が1万人いれば千人弱ぐらいの当事者の方がいるかもしれません。ですからプロジェクトに私が関わることで、多様性に配慮した視点が少しでも加わり、建築が提供できる豊かさの幅が広がるのではないかということを書きました。

――面接の場でトランスジェンダーについてたずねられましたか?

 自己PRの欄でジェンダーについて書いていましたし、履歴書に添付する写真も女子大生のリクルートスーツ姿だったので、書類審査の段階で気づかれていたと思いますが、最終面接で初めてジェンダーについてたずねられました。ジェンダーに限らず、誰もが色々なアイデンティティーやコンプレックスがあると思うんです。それを説明するための文脈を工夫することで、前向きな姿勢を示すことができると感じました。


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