また、内村が脚本・主演を務めた舞台で演出を担当したケイマックス・飯山直樹氏もこう証言する。

「内村さんから“これやれよ”とは言われない。それが結果的に良い方向に働き、みんな奮起していくんだと思います。押し付けじゃないんで。そうそう、映画やCMなど内村さんの仕事で自分に声が掛からないものもあります。すると、専門外だから当たり前なのに、どこか悔しいんですよ（笑）。だけど、なんで呼んでくれなかったんですか、なんてダサいことを内村さんの前でやりたくない。そこまでうぬぼれてないですから。だからこそ、いつだって内村さんに必要とされる人材でいたいと、頑張っちゃうのかもしれない」（飯山氏）

「管理型」は自身が現場で優秀な人材だった人こそ陥りやすい方式であり、せっかくのチームのポテンシャルを生かしきれず、リーダーが息切れする構造を生みかねないだけに、ぜひこの内村の「放牧型マネジメント」を習得していただきたい。

●畑中翔太（はたなか・しょうた）
博報堂ケトルクリエイティブディレクター。アクティベーション領域を軸に手段とアプローチを選ばないプランニングで、「人を動かす」統合キャンペーンを数多く手掛ける。 これまでに国内外の150以上のアワードを受賞。Cannes Lions 2018 Direct部門審査員。2018年クリエイター・オブ・ザ・イヤー メダリスト。