現場の若手を自由にさせる 内村光良の“放牧型マネジメント”はなぜ機能するのか

連載 内村光良リーダー論

リーダー論

2021/06/23 11:30

 しかし、ここで読者の方も疑問に思うかもしれない。部下を「自由にさせる」というアプローチは、チームとして「成果を生み出せないリスク」を同時にはらんでいる。
 
 会社で言えば、部下に新しい商品のマーケティング戦略を好き勝手にやらせてみたものの、まったく成果が上がっていなかったとか、任せていた仕事を確認したらまったく見当違いの作業を進めていて納期に間に合わなくなった、などの悲劇が目に浮かぶ。
 
 通常、リーダーはチームが目標とすべき成果を生み出すために、部下のパフォーマンスを逐一管理・統率する。すなわち、“リーダーによる統制”があるからそこに成果が想定できるのであって、「チームをただ自由にさせる」ことは実はリスキーなのだ。
 
 だがしかし、現場の若手を自由にさせる内村の仕切りスタイルから、多くの人気番組が生まれたり、芸能界で活躍するスターを数多く輩出したり、その内村の放牧型アプローチは同時に「成果」をともなっている。
 
 それを可能にしているのが、「放牧することで、各自の自主性を育てる」というチームマネジメント方式。
 
 結局のところ、チーム員は自分で失敗を経験しなければ、成長しない。若手が手痛いミスをしないようリーダーが管理し手を打つことは、短期間的に見れば成果もあげやすいかもしれない。だが長期的に見ると、自身の頭で考え行動するチーム員を育てる機会を損失し、永遠にリーダーが管理し続ける構造を生み出してしまう。
 
 その点、内村の周囲には、強い自主性を持った一流の人材がそろっている。たとえばNHKのコント番組『LIFE!』で共演中の俳優・中川大志氏。

「4年間、『LIFE!』をやって、コントや芝居ややり方で、内村さんから何かを言われたってことはほとんどないです。だけど、内村さんがメークや衣装といった役作りだったり、現場でいろんな方向から考えつくされている姿を見て、そこまでやらなければいけないんだと、自分ももっと他のアプローチがあるんじゃないかと、疑い続けるようになりました」(中川氏)

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「いつも内村さんに必要とされる人材でいたい」

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