「美的.com」(2019年9月28日配信)では、絵画や家具、食器にも興味があり、自分の力で自分の世界を作っている作家や職人が好きだと明かしていたことも。そんなところを見ると、石田自身も一本芯の通った気質なのかもしれない。

「年を重ねても若々しい石田ですが、3月に行われた新CM発表会で、そのピュアさを保つ秘訣を聞かれた際に『ストレスをためないこと。そのために運動すること。きちんと眠ること。正しい栄養を取ること。この3本柱を守るようにしています』と答えていました。複雑なセオリーではなく、そんなシンプルな考え方も支持を集めているのだと思います」(同)

■政治批判で賛否が渦巻くことも

 一方、「まっすぐなところはいいのですが、少し心配になることも……」と言うのは女性週刊誌の芸能担当記者だ。

「芸能人がSNSで政治に言及することが増えた昨今。石田も昨年3月に自身のインスタで、『こういうとき大切なのは自分の言葉でちゃんと国民と向き合うリーダーなんだろうなぁと思ってしまう』と記し、昨年11月には菅首相が国民に呼びかけたマスク会食について、『マスクしながらの会食って…そんなことするくらいなら黙って食べます!』とつづっていました。これらに対してSNS上では、『マスク会食に怒ってもしょうがない』『そんなに言うなら自分がやって』など、珍しく手厳しい声も見受けられました。石田に限らず、政治が絡んだ発言は手厳しい指摘を向けられることがあります。外見も内面も魅力的なぶん、そうした発言で大きく炎上しなければいいですが」

 そんな懸念があるのも、世間の感心の高さの裏返しかもしれない。ドラマウオッチャーの中村裕一氏は、そんな石田の魅力ついてこう分析する。

不倫に走る妻を演じて話題になったドラマ『不機嫌な果実』(1997年)から25年近くたちますが、どんなタイプの役もきちんと演じ、彼女がいるだけで作品が引き締まる貴重な女優です。ドラマや映画の宣伝でバラエティーなどに出演してもヘンにこびることもなく、逆に気取ったり偉そうにしたりすることもありません。そこからも、1人の人間として周りに左右されない自分の価値観をしっかり持っていることがうかがえます。そんな彼女に対してよく言われる“癒やし効果”も、周りが勝手に言っているだけで、本人的にはただ自分らしくありたいだけなのだと思います。ある意味、達観しているというか、華やかな世界に執着していない、良い意味での“悟り感”の持ち主なのでしょう。見ているだけで心が安らぐ、弥勒菩薩のような人なのだと思います」

 見た目は柔らかい雰囲気かつ、しっかりと自分の意見を持ち強く生きる姿は、多くの人を惹きつけて離さない。まさに、女優として盤石のポジションを築いていると言ってもいいだろう。(丸山ひろし)

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丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

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