「3密を避けるのは最低限のルールでマナー。唾吐きなども同様で、これは巨人云々ではなくNPB全体で重大に受け止めないといけない。各球団ともに経営が苦しい中、消毒などにかかる費用はかなりの負担にもなる」(中日球団関係者)

 昨年の開幕にあたり定められた『NPB新型コロナウイルス感染予防ガイドライン』で、唾吐きは禁止行為に定められている。しかし20年7月2日には当時楽天のジャバリ・ブラッシュ、日本ハム中田翔の唾吐きがテレビ中継に映り、ネット上などで大騒動にもなった。

「唾吐きはクセもあるから、無意識にやってしまう選手もいる。また唾を手や指に付ける打者や投手もいて、どこまで規制して良いのか難しい部分。MLBでは事前にかなりの議論がなされたが、唾吐きやヒマワリ種の吐き捨てなどを禁止行為と定めた」(スポーツ新聞MLB担当記者)

「(唾吐き)を常習的に行ってきたならば、習慣を捨てるようなものだからね。ストレスを感じた時に、それを避けるのは難しいこと」(MLBジャイアンツ監督ゲーブ・キャプラー/20年5月18日米ラジオ局KNBR)

 唾吐きはハイタッチなどと同様、日米で禁止事項として明記された。しかし長年のクセを簡単にやめるのは難しい。現状では規則を明記した上で、個人の良心に任せている。

「選手個々の自覚や良心に任せるしかない。それでも試合中に興奮してアドレナリンが出ていると、忘れてしまうこともある。それを1つずつ確認して、審判などが注意する訳にはいかない。それこそ『自粛警察』になってしまうから」(NPB関係者)

「唾吐きやハイタッチどころか、メジャーでは乱闘騒ぎもあった。NPBでは試合前の円陣における声出しを名物行事として、ファンサービスの一環にしている球団もある。動画などでアップされると人気コンテンツとなる。ベンチ内でマスクを着用していない選手も目に付くようになった。結局は選手や当事者次第でしかない」(スポーツ新聞MLB担当記者)

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