巨人・若林晃弘(写真提供・読売ジャイアンツ)
巨人・若林晃弘(写真提供・読売ジャイアンツ)

 いよいよ本日26日に開幕する今年のプロ野球ペナントレース。キャンプ、オープン戦で話題をさらったのは阪神ドラフト1位ルーキー佐藤輝明だ。オープン戦では12球団トップとなる6本塁打を放ち、開幕スタメンが有力視されている。しかし佐藤以外にもそこまで大きな話題となっていないが、新たに定位置を獲得しそうな選手は少なくない。今回はそんな選手たちをピックアップしてみたいと思う。

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 セ・リーグ3連覇を狙う巨人では身長2メートルのルーキー秋広優人が話題となったが、その陰に隠れて台頭してきたのが若林晃弘だ。17日の中日戦ではホームランが出ればサイクルヒット達成という3安打5打点の大活躍。20日と21日の楽天戦では2試合連続ホームランを放ち、開幕スタメンに向けて猛アピールを見せている。

 内野手登録だが、キャッチャー以外はどのポジションも守れるユーティリティさに加えてスイッチヒッターというのも大きな魅力だ。年々打撃の力強さもアップしており、スタンドまで運ぶパンチ力も備えている。新外国人のスモークとテームズが来日するとスタメンで出場するチャンスは減ることになりそうだが、このままの調子を維持することができればレフト、もしくはセカンドの定位置を奪う可能性もありそうだ。

 最下位からの巻き返しを図るヤクルトでは浜田太貴が面白い存在だ。オープン戦では佐藤に次ぐ2位タイとなる4本塁打をマーク。177cmとそこまで体は大きいわけではないが、鋭く体を回転させる豪快なフルスイングが持ち味で、右方向へも大きい当たりを打てるのも魅力だ。開幕直前の上半身のコンディション不良で一軍から離れ、回復にどの程度時間がかかるか見えないのは不安だが、チームの外野陣はベテランが多いだけに多少出遅れたとしても巻き返す余地は十分にあるだろう。

 パ・リーグでは佐野皓大(オリックス)、小郷裕哉(楽天)の外野手2人が一気に台頭してきた印象を受ける。佐野は高校時代、最速152キロをマークして注目を集め、投手としてプロ入り。しかし制球難もあって二軍でも結果を残すことができず、3年目が終了した時点で野手に転向となり、同時に育成契約となっている。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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