橋本聖子氏のキス、ハグ強要は許せない? 正論だけでは理解できない男社会で生きる地獄 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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橋本聖子氏のキス、ハグ強要は許せない? 正論だけでは理解できない男社会で生きる地獄

連載「おんなの話はありがたい」

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橋本聖子氏(c)朝日新聞社(代表撮影)

橋本聖子氏(c)朝日新聞社(代表撮影)

作家の北原みのりさん

作家の北原みのりさん

 作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の会長に就いた橋本聖子氏について。過去のセクハラ事件を断罪する風潮があるが、男社会で生きる女性の置かれてきた状況を考えると複雑な気持ちになるという。

【写真】女性議員のために中心になって動いたのはこの人
*  *  *
 橋本聖子氏は、“政治家たるもの産むべからず”という永田町の暗黙の了解を破った人である。

 現役の国会議員として初めて出産した女性は、1950年の園田(旧姓松谷)天光光さんだった。交際発覚時、相手が妻子ある国会議員だったこともあり、女性の天光光氏への風当たりは相当激しかったという。出産後たった8日で国会に戻るなど驚異的な努力を見せたが、結果的に天光光氏は出産によって政治生命を絶たれてしまった。それ以降、現役の国会議員は誰も産めなくなった。

 橋本氏はそんな永田町の不文律を50年ぶりに破った。橋本氏が2000年に妊娠を発表した際には、当時81歳の天光光氏が自民党本部の懇談会に出席し「国会のなかに託児所をつくる必要がある」などと発言している。当時は野田聖子議員等が中心となって、国会議員の産休に関する規則改正を推し進めた。

 やっぱり、数は大切。女性が増えれば変わらざるを得ない現実が生まれるのだ。

 それにしても当の橋本氏は、“そういうこと”をどのくらい意識していたのだろう。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の新会長に就いた橋本氏の過去のセクハラが連日報道されている。高橋大輔選手へキスを強要したり、安倍晋三首相(当時)と浅田真央選手を無理やりハグさせたりしたなどとして、過去の振る舞いに注目が集まり、批判の声が高まっている。過去の動画や記事を見たが、高橋選手へのキスも、浅田選手へのハグ強要も、軽いおふざけの高笑いの空気のなかで行われているのがわかる。“セクハラはコミュニケーション”という空気が、橋本氏が育ってきたスポーツ界にはあったのだろう。


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