こうした白須賀氏の素行について、選挙区である千葉13区の県議たちの視線も厳しい。昨年8月、白須賀氏の素行を問題視した13区の県議9人と柏、鎌ケ谷2支部が辞職などを求める嘆願書を県連に提出。翌月に党本部に上申されて判断をあおぐ形となったが、結局、処分は下されていない。

 ある地元県議は、嘆願書を提出した理由を次のように話す。

「有権者の方々に胸を張って『白須賀議員を応援します』とは言えない。そのことが一番の理由です。何か問題を起こしたら、支援を受ける支部や議員に直接出向くのが筋です。しかし、(白須賀氏は)反省の態度や後始末の行動が何もないのです」

 今回の高級ラウンジ訪問については、「夜に出歩いている話はうわさで耳にしてきたが、クラブ通いで何人も離党した後です。さすがにないだろうとは思っていた」と話す。

 もはや地元は冷めきっているという。

「IRにしろ今回の件にしろ、こうした行動が世に出ること自体、地元の人間からしたら恥ずかしいこと。地元有権者の方々も、多くが同じ思いのはず。それでも応援しよう、擁護しようという人はそうそういないでしょう」(同)

 自民党は離党したが、議員辞職はしないという白須賀氏。17日、その理由を記者団にこう語った。

「私の選挙区は、各市の予算がそれほど大きくない。(中略)しっかりと地域の陳情などを含め、自民党の先輩方に土下座してでも私の地元のために、予算を取るために、陳情を受けるために、頑張っていきたい」

 だが、今の白須賀氏に地元を託せる有権者はどれほどいるのだろうか。生まれ故郷である、前出の流山市の住民はこうつぶやく。

「こうなったらもう議員を辞めて、ここで歯医者やれよって」

(取材・文=AERAdot.編集部・飯塚大和、國府田英之)

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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