白須賀貴樹衆院議員(C)朝日新聞社
白須賀貴樹衆院議員(C)朝日新聞社

 自民党の白須賀貴樹衆院議員(45)が17日、離党を表明した。発端となったのは、同日に出た週刊文春の記事だ。2月10日の夕方、東京・六本木のホステス宅とみられるマンションから女性を連れ出し、赤坂の高級フレンチレストランに入店。その後、午後8時過ぎに麻布十番の高級会員制ラウンジを訪れ、午後10時まで滞在したという。

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 折しも緊急事態宣言下で与党議員4人の銀座クラブ通いが発覚し、綱紀粛正を図っていた真っただ中である。この状況で女性同伴で飲み歩く白須賀氏とは一体どんな人物なのか。過去をたどれば、不祥事のオンパレードだった。

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「昔、父親は自宅で歯科医をしていたんだけど、彼(白須賀氏)が20歳くらいのときに亡くなった。それで彼が医院を継いでリニューアルして、一時期は歯科医として勤務していたんです。母親の家系がすごい資産家で、地元では有名ですよ。今でも保育園を手広く経営している。本人(白須賀氏)も金はあり余るほどあるようです」

 白須賀氏が生まれた千葉県流山市の地元住民はこう話す。聞き込みをすると、歯科医時代までの白須賀氏の評判は決して悪くない。

「本当はここ(千葉7区)から出馬したかったようだけど、地元にはすでに比例で国会議員になっていた齋藤健っていう自民党の議員がいたから、党の都合で縁のない13区に行かされたみたい。そこはかわいそうだよね」(別の流山市民)

 白須賀氏は2010年7月に自民党千葉県第13選挙区支部長に就任し、12年の衆院選で初当選を果たした。現在は3期目だが、その政治家人生は「不祥事のオンパレード」と言っても過言ではない。

 記憶に新しいのは、カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件だ。

 2020年1月に秋元司衆院議員が中国企業「500ドットコム」社から現金や旅費など計約760万円相当の賄賂を受け取ったとして起訴されたが、白須賀氏も秋元氏とともに、「500」社側が費用負担したといわれる中国への視察旅行に同行。同企業から現金100万円を受領し、同年末に、東京地検が白須賀議員の地元事務所を家宅捜索する事態に発展した。

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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