『鬼滅の刃』に描かれた「呪い」――産屋敷耀哉と鬼舞辻無惨の“頂上決戦”の裏にあったもの (1/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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『鬼滅の刃』に描かれた「呪い」――産屋敷耀哉と鬼舞辻無惨の“頂上決戦”の裏にあったもの

植朗子dot.
産屋敷耀哉(左)と鬼舞辻無惨(画像はコミックス16巻、22巻の表紙カバーより)

産屋敷耀哉(左)と鬼舞辻無惨(画像はコミックス16巻、22巻の表紙カバーより)

 漫画『鬼滅の刃』は、鬼を討伐するための組織・「鬼殺隊」の物語だ。鬼殺隊の総領・産屋敷耀哉と、「鬼の始祖」である鬼舞辻無惨は、敵対する組織の長として登場する。この産屋敷耀哉は、隊士たちからの人望を一心に集める人格者として描かれながらも、鬼殺に対する恐ろしいまでの「執念」をみせる。「子どもたち」と呼ぶ隊士の多くが命を落とし、自らの体も病に侵されていくなかでも、耀哉は鬼舞辻を中心とした「鬼」と戦い続けることをやめない。そしてまた、鬼舞辻も耀哉に異様なこだわりをみせる。その根底には、2人が決して逃れることができない「呪い」が横たわっていた。(以下の内容には、既刊のコミックスのネタバレが含まれます)

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■鬼舞辻の討伐に心血を注いできた産屋敷家

『鬼滅の刃』には、「鬼殺隊」と呼ばれる鬼を滅殺するための組織が描かれている。そして、まだ23歳という若さの、産屋敷耀哉(うぶやしき・かがや)という青年が、その長として組織の指揮に当たっている。鬼殺隊の目的は「鬼を倒すこと」。人間を喰う鬼を根絶やしにするために、剣士が養成されている。彼らの最終的な目的は、この世の中で最初に鬼になった人物、鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)を葬ることである。
 
 鬼舞辻は、自らの血を「人間」に分け与えることで、人を鬼に変える能力を持つ。鬼舞辻が死亡すると、他の鬼たちも消滅するが、鬼舞辻が生き続ける限り、この世の中から鬼はいなくならない。そのため、鬼殺隊は日々、鬼舞辻の居場所を特定するため、さまざまな諜報活動も行っている。耀哉の祖先である産屋敷家の代々当主たちもまた、鬼舞辻の討伐に心血を注いできた。なぜ産屋敷一族は、「鬼」の滅殺に生涯をささげることになったのか。

■産屋敷耀哉にかけられた「呪い」とは?
 
 実は、鬼舞辻は産屋敷家と同じ一族の出身である。耀哉が当主になったのが大正時代(1910-20年代)で、鬼舞辻が誕生したのは平安時代(794年以降)。2人の誕生には千年ほどの隔たりがあるが、彼らには美しい容姿、カリスマ性など、いくつもの共通点がある。皮肉なことに、鬼舞辻と耀哉は双子のようにそっくりなのだ。産屋敷が「短命」な「人間」なのに対し、鬼舞辻は「永遠の命」を持った「鬼」であることも、一つの対をなしている。  


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