同じく監督が代わるC大阪も不安が付きまとう。ロティーナ体制2年目の今季は4位(勝点60:18勝6分10敗)でフィニッシュしたが、フロントは監督交代を決断し、新監督に8年ぶり4度目の登板となるクルピ氏を招聘した。森島寛晃社長は「育成型クラブへの回帰」を強調したが、そこには財政的な理由も見え隠れする。補強の目玉にしたかった香川真司も引き続き欧州でのプレーを希望し、古巣への復帰を否定。一方で柿谷曜一朗は名古屋への移籍が決定的だ。クルピ監督にも真新しさはなく、G大阪時代の失敗もある。C大阪にとって来季は正念場のシーズンになるかも知れない。

 過去に例がない「4チーム自動降格」の行方は、果たしてどうなるか。各クラブはコロナ禍での財政難とも向き合いながら戦力を整えることになるが、悪くなった流れを変えるのは難しく、狂い出した歯車はなかなか止められない。新型コロナウイルス感染症と同じく、素早く、的確な対応で、未然に危機を回避することが「J1残留」に向けて必要になるだろう。