JR五能線の観光列車であるリゾートしらかみ。ディーゼルエンジンと蓄電池を組みあわせて走るハイブリッドシステムを搭載(写真提供/坪内政美)
JR五能線の観光列車であるリゾートしらかみ。ディーゼルエンジンと蓄電池を組みあわせて走るハイブリッドシステムを搭載(写真提供/坪内政美)

 漢字パズル誌「みんなの漢字」の好評連載「難珍駅名旅気分」から、JR五能(ごのう)線を紹介します。この路線は秋田県の東能代(ひがしのしろ)駅と青森県の川部(かわべ)駅を結ぶ147.2キロメートルのローカル線。世界自然遺産の白神(しらかみ)山地をぐるりと回るように日本海を見ながら走る絶景路線として大人気で、沿線にはユニークで味わい深い地名がたくさんあります。

*  *  *

■【設問】この駅名、読めるかな?(答えは最後)
Q1 八森
地名の由来は町の中心部に八つの森(祠か?)があったこと。一帯はかつて銀山で栄え五能線を使って銀を輸送、当駅から銀の精錬所へ向かう専用線も延びていたものの、1983(昭和58)年に廃止されました。

Q2 大間越
「大間越」は船が出入りする大きな入江を意味し、藩境の峠を越す道があることにもちなむといいます。隣の岩館(いわだて)駅までは10.8キロメートルもあり、五能線はこの区間で秋田・青森の県境を越えます。

Q3 十二湖
世界自然遺産の白神山地への最寄駅の一つ。十二湖は白神山地の北西麓にある大小33の湖沼群のことで、眺望所から見ると小さい湖が森にかくれ、12の湖が見えることから命名されたそうです。

Q4 艫作
日本海に突き出た艫作崎の最寄駅。「艫作」は「艫成す」が語源で、艫作崎の形が船の舳先に似ていることを表すといいます。渤海(ぼっかい)国から船が漂着し、船の艫(とも/船尾のこと)を修理して帰ったという伝説もあります。

Q5 驫木
日本海に面した無人駅で、波音がごうごうと轟(とどろ)くことを表す地名。平安時代、花山天皇が譲位後に当地を通った際に3頭の馬が波音に驚いて暴れ出したため、「驫」の字を当てさせたと伝えられています。

Q6 風合瀬
五能線随一の難読駅。驫木駅と同様に日本海に面していますが、駅構内に鉄道防風林を植え、暴風よけにしています。「風合瀬」の地名は、東西より吹く風の交差点にあたることにちなむといいます。


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