18歳の怪物GK鈴木彩艶、19歳のレフティー司令塔MF武田英寿の成長、抜擢が期待されるが、まだまだ若手の突き上げが足りず、躍動感、フレッシュさのない試合運びでは、「ロートル軍団」と揶揄されても仕方がない。

 オフに大幅な血の入れ替えも予想されるが、まず定めるべきは来季の監督だろう。一部報道ではJ2の首位を快走する徳島ヴォルティスを指揮するスペイン人監督、リカルド・ロドリゲスを“強奪する”と言われているが、それによっては3バックへ再変更も予想され、求められる人材も変わってくるからだ。

 ただ、監督に“丸投げ”するだけでは長期的な強化には繋がらない。誰が監督になり、どのシステムを採用しようとも、各セクションに新たな戦力が必要なことに変わりはない。海外組も含めた代表クラスの人材を確保したいが、それが無理ならば海外から大物外国人を獲得すべき。これまでの浦和の歴史を顧みても、また、他クラブの状況を鑑みても、外国人選手の力によって戦い方が大きく変わるのは紛れもない事実なのだ。

 しかし、補強がそう簡単には進まないという実情もある。ひと昔前ならば、豊富な資金とレッズブランドを武器に国内の有望な若手を獲得することができたが、近年は若手の海外志向が強まり、自らのステップアップ先として浦和を含めた国内強豪クラブではなく欧州クラブを選ぶ選手が増えた。

 その中で今季J1を独走優勝した川崎フロンターレや、ACL圏内のガンバ大阪、名古屋グランパスなどは下部組織からの人材供給をうまくチーム強化に結びつけているが、浦和レッズではこれまでユース出身者でトップチームの主力となった選手は数少ない。そして外国人に関しても、コロナ禍が続く中で、文化が大きく異なる未知の国へ、家族とともにも移住することに対して抵抗感を持つ選手も多いだろう。

 今オフの補強が思うように進まず、来季も成績低迷となると、レッズブランドはさらに下落する。そして中位の常連となり、残留争いにも巻き込まれることになるかもしれない。この先、浦和レッズの未来は、果たしてどうなるのか。このまま“中堅クラブ化”してしまうのか。建前上、来年は「3年計画の2年目」となるが、「3年計画の1年目」はプラン通りにならなかっただけに、今後も心配な部分は多い。