『「かめる幸せ」をとり戻す』より(イラスト/ひのあけみ)
『「かめる幸せ」をとり戻す』より(イラスト/ひのあけみ)
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 近年、かむ力と全身の健康との関係について関心が高まっています。歯を失った人の代替法である「インプラント」は、「第二の永久歯」といわれるほど「かむ力」がとり戻せることで注目を浴びています。日本口腔インプラント学会は、広く一般の方々に向けて、インプラントについての正しい情報を伝える公式本『「かめる幸せ」をとり戻す』を9月に刊行しました。本書から抜粋する形で「インプラントの構造」「インプラントに欠かせないチタンの特性」についてお届けします。

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 インプラント治療は、自分の歯のようにかめるようになる治療です。そのためインプラントは、「第2の永久歯」と呼ばれることもあります。

 なぜ、本当の自分の歯のようにかめるようになるのでしょうか。

 インプラントは一般的に三つの部位から構成されています(図参照)。

 まず土台となるのが、チタン製の人工歯根(インプラントのほかインプラント体、フィクスチャーとも呼ばれる)です。ネジのような形をしており、メーカーによって、多少長さや太さに違いがあります。この人工歯根を、あごの骨(歯槽骨)に穴を開けて埋め込み、土台とします。
 
 この人工歯根の上に、「上部構造(人工歯)」と呼ばれるかぶせ物(クラウン)や義歯を装着します。

 その二つの間を連結しているのが「アバットメント」と呼ばれる部品です。アバットメントがなく、人工歯根に直接かぶせ物(クラウン)や義歯を装着する一体型のタイプもあります。
  
 自分の歯のように「しっかりかめる」ようになるのは、あごの骨に埋め込んだインプラント(人工歯根)が骨と結合し、しっかりとした土台になるからです。

 では、なぜ、インプラントは、あごの骨と結合するのでしょうか。
 
 人間のからだは外から異物が入ってくると、拒絶反応を起こし、排除しようとする機能をもっています。その機能からすると、インプラントをからだの一部である骨に埋め込んだとしても、異物として排除されてしまうはずです。

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