例えば、今夏にトルコ・ガラタサライを契約満了によって退団した長友佑都が、フランス・マルセイユではなく国内復帰を決断していれば、Jリーグがさらに盛り上がったに違いない。現役時代に長友とともに日本代表で活躍した田中マルクス闘莉王は、自身のYouTubeチャンネル『闘莉王TV』の中で「(長友は)日本に帰ればいいんじゃないの?(欧州で)もう何年もやっているし、大体の経験はした。早く日本に帰ってJリーグを盛り上げてもらわないと。まだ日本で活躍できる。それが一番だと思うんだけどね」と本音を吐露。

「本田(圭佑)もそう。応援はしてるけど、ブラジルにいるよりは日本に戻ってJリーグを盛り上げて欲しい。Jリーグに恩返しをして欲しい」と訴えた。決して深刻な口調で語った訳ではないが、この闘莉王の言葉と同じ思いを抱いているJリーグのファンは多い。

 今後、結果的に日本代表が“オール海外組”になる可能性はあるが、国内リーグ所属の選手が0人の代表チームは寂しく、健全ではない。国内組軽視による失敗は、過去のW杯からも学んだはず。Jリーグの盛り上がりこそが、日本代表チームの強化、底上げにつながる。そのためには移籍が一方通行であってはならず、海外で活躍中の選手、あるいは出番の少ない選手の積極的な「国内復帰」を求めたい。少なくとも、内田篤人のように現役生活の最後は日本で終えてもらいたい。

 できることならば、名波浩や小笠原満男のように、国内復帰後も古巣で長くプレーしてもらいたい。長友佑都、本田圭佑、長谷部誠、香川真司、吉田麻也、乾貴士、岡崎慎司、大迫勇也、川島永嗣と、ベテランの域に入っている「海外組」は多い。近い将来、彼らがJリーグの舞台で活躍する姿を見ることができれば、日本サッカー界がより大きく発展できるはずだ。