藤枝暁生さん(撮影/高野楓菜・写真部)
藤枝暁生さん(撮影/高野楓菜・写真部)

 今、抽選方式が導入されるほど「TOEIC L&R」の受験希望者が殺到している。「就活や会社の規定のために年内に受けなければ」という人もご安心を。現在発売中の『AERA English 2020 Autumn&Winter』では、2カ月でできるTOEIC完全攻略法を990点経験者に取材。「パート2をひたすらやり込め」という藤枝暁生さんに、その理由を聞いた。

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 TOEIC挑戦者にとって、一度は超えてみたい壁が800点だ。会社での昇進や海外赴任、あるいは転職活動に役立つ。

「現状が700点レベルの方は、すべての面で未熟です」

 こう言い切るのは、独学で990点を達成している藤枝暁生さんだ。9月には『TOEIC(R) L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズ』(朝日新聞出版)を出版した。700点は一般的には高得点の部類。どのようにしてさらなるスコアアップを実現すればよいのか?

「2カ月後の本番を見据え、弱点を把握しましょう」と藤枝さん。まずは「公式問題集」の1回分を実戦と同じ時間で解く。短文リスニングのパート2で平叙文問題が苦手、長文リーディングのパート7で記事問題が不得手とわかれば、以降、克服に注力すべき部分が見えてくる。

■リスニングは「公式問題集」を軸に

 800点超えのポイントの一つは、手がかりが少ないリスニングのパート2とリーディングのパート5を毎日やり込むこと。写真も設問もないパート2は900点レベルの上級者でも落とす場合がある。語彙力や文法力を問う短文穴埋めのパート5も、情報量が少なく推測が利かないため、実は難関だという。

 パート2も含めリスニングは、実際のテストと同じコンセプトでつくられた「公式問題集」を軸とするのが理想だ。

「『公式問題集』はナレーターが本番の試験と同じ。話し方や話す速さに耳を慣らしておくことは大切です。パート2を聞き込めば、他のパートも対応できるようになるはず。『音は聞き取れているけれどわからない』という単語にマーカーを引いておけば、単語の勉強にもつながります」

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