■自分が描く将来と一致する場合は、受験生にとってもメリット大

 ただし、卒業後の一定期間、定められた勤務を遂行するなどの義務があるという。可児さんは、こう話す。

「学費が安いからと安易な気持ちで受験することはお勧めしませんが、『地域医療に従事したい』『産業医になりたい』など、自分が描く将来と大学の修学資金貸与制度などが一致する場合は、受験生にとってのメリットは大きいです。そのため、これらの大学の難易度も高くなっています」
 
 多くの大学で導入されている地域枠は、卒業後の一定期間、地域医療に従事すると、返済が免除になる修学資金がセットになっているケースが多い。たとえば東北医科薬科大は定員の半数以上の55人を対象にした修学資金制度がある。

 貸与される修学資金は、10年間程度東北地方の医療に従事することが条件で返還免除となり、実質6年間の負担額が400万~800万円になる。
 
 ほかにも地方自治体が修学資金を支援する制度も多いので情報を集めてみよう。

(ライター・柿崎明子/編集部・長谷川拓美)