■ハゲたらバラードは歌えない

 ダウンタウンとのトーク番組では「王子キャラを辞めたいときもある」と告白したことも(「ダウンタウンなう」フジテレビ/2017年6月30日放送)。共演した俳優の坂上忍が「少女漫画のキャラみたい」と感嘆すると、「そんな歳じゃない」と照れ笑い。松本人志から「どこか痛いとかあるんですか」と質問されると、「日によって腰が痛いとか、足の裏が痛いとか」とグチるように話し、「変な格好してギター弾いたりする」からだと説明。60代になった自分のからだの変化についても本音を漏らしていた。

「他にも『トリートメントを流し忘れて外出』『サラダを半分以上床にこぼす』『Amazonを大量注文して放置』などの爆笑のエピソードもありました。トリートメントに関しては、『ちゃんと(髪を)保たないといけないんですよ。残された資源を』『ハゲたらバラードは歌いづらい』と毛髪についてのこだわりを熱弁していて笑いを誘っていました。届いたけど未開封のままのAmazonのダンボールを番組で開封されたのですが、同じゴジラのフィギュアが別々の箱に入っていました(笑)」(同)

 60代に入り天然ぶりが加速している高見沢だが、音楽活動では今もリーダーとしてバンドを牽引。THE ALFEEのほとんどの楽曲の作詞作曲を今も手掛けている。9月には3年ぶりとなる68枚目のシングル「友よ人生を語る前に」をリリースし、話題となった。

 TVウォッチャーの中村裕一氏は、そんな高見沢の魅力についてこのように考察する。

「現役最年長バンドのリーダーとして先輩・同期・後輩、どの世代からも慕われている理由は、まさに飾らないその人間性に尽きます。THE ALFEEの活動だけでなく、小泉今日子、明石家さんま、とんねるず、KinKi Kids、ももいろクローバーZなど、アイドルから芸人までこれまで実に幅広く楽曲提供。さらにはウルトラシリーズやドラえもんの主題歌、テレビドラマの音楽監督なども務めており、日本国民のほとんどが彼の手がけた曲を一度は耳にしたことがあると言っても過言ではありません。3年前からは『高見澤俊彦』名義で作家活動も始めていますが、自分の可能性を決めつけない柔軟さと、相手に対して真摯に向き合う誠実さが多くの人たちから愛されているのではないでしょうか。これからも“現役”にこだわり、『継続は力なり』を体現し続けてほしいですね」

 類まれなる音楽の才能とキュートな天然ぶりという魅力あるギャップで、コロナ禍で沈んだ気持ちを音楽と笑顔で持ち上げてくれるタカミーの存在は偉大と言えるだろう。(高梨歩)

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高梨歩

高梨歩

女性ファッション誌の編集者など経てフリーライターに。芸能やファッション、海外セレブ、育児関連まで、幅広いジャンルを手掛ける。活動歴は約20年。相撲フリークの一面も。

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