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医者が転勤するのは罰則なの? 現役医師が明かす「人事」の裏話

連載「現役皮膚科医がつづる “患者さんと一緒に考えたいこと、伝えたいこと”」

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大塚篤司dot.
大塚篤司(おおつか・あつし)/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員を経て2017年より京都大学医学部特定准教授。皮膚科専門医

大塚篤司(おおつか・あつし)/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員を経て2017年より京都大学医学部特定准教授。皮膚科専門医

※写真はイメージです(写真/Getty Images)

※写真はイメージです(写真/Getty Images)

 教授に逆らった医者が罰則として転勤を命じられる――。テレビドラマで、よく描かれるシーンの一つです。実際、医者の人事はどのように決まっているのでしょうか? 京都大学医学部特定准教授の大塚篤司医師が、医者の転勤システムについて語ります。

*   *  *
 大学病院や総合病院に通院している患者さんは特に感じることかもしれませんが、医者は転勤の多い職業です。

 私も新しい病院で慢性疾患の患者さんを引き継いだとき、「先生で主治医が5人目です」と言われたことがあります。

 大きな病院に勤務する医者は数年ごとに転勤があります。どうしてこんなに転勤が多いのか、一般の方からするとわかりにくい部分があります。

 今日のコラムでは医者の転勤システムについて少し解説したいと思います。

「白い巨塔」を始めとするテレビドラマでは、医者の転勤は教授に逆らった罰則のひとつとして取り上げられます。

 封建的で強権的な制度のひとつとして「医者の人事」があるように感じている人も多いでしょう。

 おそらく、「白い巨塔」が書かれた当時は権力行使のひとつとして転勤が存在していたものと思います。ドラマ「半沢直樹」で描かれる出向と同じです。

 企業は転勤や異動を人事部が担当しているはずです。社長や会社の役員などを含め上司の意向を踏まえつつ調整するのが一般的でしょう。

 医者の転勤に関しては、その医者が医局に所属しているかどうかで異なります。

 まず、医局に所属していない医者は自由に勤務地を選べます。いわゆるフリーランスです。転勤するかどうかは完全にその医者の判断であり、契約を延長するかどうかは雇っている病院側の判断です。全国的に医者不足なこともあり、医者はよっぽどのことがない限りクビにならないので、医局に属さない医者は自由に勤務地を選べます。

 一方、医局に属する医者は医局の方針で勤務地が決まります。大学病院の医局には関連病院があります。例えば京都大学の場合、40近い病院に医者を送っている医局もあります。

 医局には医局長という肩書の医者がいて、その医者が教授の意向を聞きながら勤務場所を決めます。企業でいう人事部の役割を担うのが医局長です。

 どこの医局もだいたい医局長は一人でやっており、日常の診療業務を担当しながら医局長を併任しています。ちなみに医局長をやったからといって給料が上乗せされるわけではありません。医局長業務は完全なボランティアです。私も医局長経験がありますが、とても大変な仕事でした。

 さて、大学病院の医局の使命の一つに「地域医療を守る」があります。

 田舎の過疎地の病院は、勤務する医者がなかなか見つかりません。

 そういった地域の医療を守るために大学病院の医局は所属する医者を派遣します。


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