スケーリングは歯科医師や歯科医師の指示を受けた歯科衛生士がおこないます。スケーラーを歯面に当て、プラークや歯石をカリカリと剥がして落としていきます。近年は、超音波を利用して汚れを取り除く「超音波スケーラー」や圧縮した空気を使って振動を起こす「エアスケーラー」などを併用して除去している歯科医院も増えています。いずれの方法でも歯石やプラークを残さず取り除くことが一番大事です。つまり、処置をおこなう歯科医師や歯科衛生士の技量が重要ということになります。

 たとえ口の中全体が歯周病であっても、スケーリングは通常、一度にはおこなわず、上下2回程度に分けておこないます。一度にたくさんの歯を処置すると、炎症の強い部分は、ブラシがしづらくなったり痛みを感じたりするためです。

(3)ルートプレーニング
 歯周ポケットの奥にある組織(歯の根面のセメント質)に付着したプラークや歯石、その他の代謝物質が入り込んだ病的な表面部分を取り除く処置で、スケーリングに加えておこないます。スケーラーを使って根面をなめらかに整えることで、プラークが再び歯に付着しにくくなります。また、歯肉と歯の根面がくっつきやすくなることで歯周ポケットが浅くなる効果が期待できます。

 なお、スケーリングやルートプレーニングをおこなった後は一時的に知覚過敏が起こりやすくなります。これは根面がきれいになって一部、露出をすることで、外部からの刺激を受けやすくなるためです。数日たつとおさまってきますが、症状が強い場合は知覚過敏治療薬を塗って症状の改善をします。

(4)必要に応じてかみ合わせやむし歯の治療などをおこなう
 歯周病を悪化させている原因があれば、その原因を除去するために必要に応じて処置をします。例えば歯周病が進み、グラグラしている歯がある場合、噛んだときに負担がかかりすぎないようにかみ合わせの調整をしたり、隣り合っている歯と歯を連結して固定させる「暫間固定」、むし歯で穴が開いた部分にプラークがたまる場合は「むし歯の治療」をします。

次のページ
歯並びが悪いことが悪化の原因の場合は矯正治療も