今季から日本でプレーする“大物助っ人”オリックス・ジョーンズ (c)朝日新聞社
今季から日本でプレーする“大物助っ人”オリックス・ジョーンズ (c)朝日新聞社

 開幕から約1カ月が経過したプロ野球のペナントレース。今年も多くの新外国人選手が各球団に加入したが、ここまで期待通りの活躍を見せている選手もいれば、日本の野球に苦しんでいる選手もいる。成功か失敗かの結論を出すのにはもちろん気が早い時期ではあるが、ここまでのプレーぶりから各球団の新外国人選手について評価(A~Cの3段階)してみたいと思う。今回はパ・リーグ編だ。なお今年初めてNPB入りした新助っ人のみで、他球団から移籍した選手は除外し、支配下登録されている選手のみとした(成績は7月15日終了時点)。

【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!

【西武】

・ギャレット:A

前評判はそこまで高くはなかったものの、10試合に登板して失点はわずかに「1」で2勝6ホールドとセットアッパーとしての役割をほぼ完璧にこなしている。150キロを楽に超えるストレートとツーシーム、スプリットのコンビネーションは見事で、時折混ぜるナックルカーブも有効だ。奪三振率が高く、制球力もあるため、今後も抑えの増田達至に繋ぐ役割を期待できるだろう。

・ノリン:C

先発の一角として期待されるサウスポー。キャンプでは腕の位置を変えるフォームが話題となったが、その後は左肩の張りで出遅れて二軍暮らしが続いている。6月26日の二軍戦では先発として3回を投げて3奪三振、無四死球で無失点と上々の公式戦デビューを果たしただけに、投手陣の苦しくなる夏場以降の一軍昇格を期待したい。

・スパンジェンバーグ:B

メジャーに移籍した秋山翔吾(レッズ)の穴を埋める存在として開幕から1番を任されていたものの、リーグワーストの33三振を喫するなど確実性に課題が残り、7月10日以降は7番や8番として試合に出場している。20安打中9安打が長打というパンチ力と、脚力を生かした積極的な走塁は光るだけに、あとはいかに追い込まれてからボール球を見極められるようになるかという点がポイントになりそうだ。

【ソフトバンク】

・ムーア:B

メジャー通算54勝を誇るサウスポーで、開幕から先発ローテーション入りを果たした。デビューとなった6月23日の西武戦は4回6失点(自責点4)で負け投手となったものの、続く30日の日本ハム戦では6回を投げて被安打3、10奪三振で1失点と実力の片鱗を見せている。7月7日の練習中に左ふくらはぎを痛めて登録抹消となったが、150キロ近いストレートとブレーキのあるチェンジアップのコンビネーションで、三振を奪えるのは大きな魅力だ。故障が完治すれば、また先発の一角として期待できるだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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