楽天のオコエ (c)朝日新聞社
楽天のオコエ (c)朝日新聞社

『ビッグマウス』『言行不一致』

【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!

 自分の思ったことを口にし、目立つ人ほど敵を作りやすい。我々の日常生活にも当てはまるが、常に結果を求められるアスリートほど、この2つの言葉で批判される人たちもいない。

 楽天・オコエ瑠偉、日本ハム・斎藤佑樹の2人はプロ入り後、互いに『ビッグマウス』発言で、度々ファンたちから叩かれてきた。

 今や現代の球界を代表する『アンチヒーロー』といってもいい。注目が集まれば集まるほど、どうしても“強気”な発言は攻撃の対象となってしまう。

 だが、楽天・オコエ瑠偉は自分の思いを発信することを恐れない。最近ではスポーツ界のみならず、日本全体に一石を投じる発言をした。

「外人なんて高校野球で使うんじゃない。甲子園には黒人は出るな」

 ナイジェリア人の父親と日本人の母親を持つオコエ。肌色の違いを原因に受けた周囲からの心ない言動を、自身のツイッター上で打ち明けた。

 今回の書き込みは、世界的に問題になっているマイノリティ(人種的少数者)差別への抗議。米国での一連の出来事から始まった世界的な動きに対してオコエも自ら声を上げた。しかしこれは過去の屈辱を自ら掘り返すことでもあり、本人も辛かったに違いない。

「経験があるからこそ、悔いないように生きようと思うし、良くも悪くも今となってはちょっとやそっとのことじゃ動じなくなった」

 このオコエの様々な経験や思いを綴ったツイートには大きな反響が寄せられ、多くの激励、そして20万近い『いいね』がついた。

 同時に、いつものような批判も寄せられた。

「野球で結果を出してから言え」「口だけでなく行動で示せ」

 好き嫌いの多い選手ではあるが、今回の件に関してまで、少なくない数の批判の声が上がったのには驚かされた。

 オコエはファンの数以上に『アンチ』が存在する。

 確かに本業の野球では周囲を納得させるような成績を残せていない。加えて、プロ入り後の疑問符がつくような行動などから批判的な人もどうしても増えてしまう。

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オコエは入団時から「ビッグマウス」