捕手の原口は故障で2013年から3年間は育成選手としてプレーしたが、2016年4月に支配下選手として復帰を果たすと、その打棒が爆発し5月には月間MVPを受賞。最終的にも95安打、11本塁打、46打点と見事な成績を残した。昨年のキャンプイン直前に大腸がんが発覚したが、驚異の回復を見せて5月には実戦復帰を果たすと、「プラスワン投票」で自身2度目となるオールスター出場を果たして2本のホームランを放った。梅野隆太郎の台頭で捕手としての出場は減ったが、勝負強い打撃で代打の切り札としてファンからも絶大な支持を集めている。

 勝負強い打撃ではファーストで選出した荒木も光るものがある。近畿大時代は大型ショートとして注目を集めたが、プロでは年々打力が向上。ここ数年はファースト、外野のバックアップとして一軍に定着し、昨年は代打で3割近い打率を残した。今年も勝負所での起用が多くなりそうだ。

 立岡は外野手登録だが、元々は内野手でどこでも守れる器用さからセカンドで選出した。高校入学当時から高い野球センスが評判で、2008年のドラフト2位でプロ入り。ソフトバンク時代は一軍出場わずか1試合だったが、2012年シーズン途中、トレードで巨人に移籍し、左肘の故障から左打ちに転向してその才能が開花。2015年にはセンターに定着して103安打を放った。その後は徐々に成績を落としているが、高い運動能力を生かしたスピード溢れる攻守は健在だ。

 サードの中井も高校時代、投打に注目を集めて2007年の高校生ドラフト3巡目で巨人に入団。10年目の2017年には開幕スタメンを勝ち取り、キャリアハイとなる57安打を放ったが、翌年大きく成績を落として戦力外となり、昨年からはDeNAに移籍した。セカンドでの出場が多いが、ファースト、サード、外野もこなす器用さがある。移籍一年目の昨年も内野のバックアップ要員として役割を果たした。

 小窪はプロでの成功者が多いPL学園のショート出身。青山学院大でも4年春には首位打者を獲得している。プロでも一年目から一軍に定着し、いきなり74安打を放つ活躍を見せた。その後は堂林翔太、菊池涼介、田中広輔などの台頭もあってレギュラーを掴むまでは至らなかったが、長く一軍でプレーを続けている。2016年から2年間は選手会長も務め、チームのリーグ三連覇に貢献した。

次のページ
若手の台頭に出番は奪われつつも…