外野で最も実績があるのが藤井だ。2009年と2017年には規定打席にあとわずかまで迫っており、2018年には1000試合出場も達成した。守備の堅実さに欠け、打撃に波があるためレギュラーを獲得することはできていないが、高い運動能力と左右両打席からのパンチ力のある打撃で長くチームに貢献している。また地元である豊橋でのゲームで無類の強さを発揮しているのも特徴的だ。

 運動能力の高さでは上田も球界で屈指のものがある。高校時代からそのスピードと強肩は評判で、プロでもそれを生かして外野の守備と代走要員として一軍に定着。2013年、2014年と2年連続で二桁盗塁もマークした。なかなか体が大きくならず、打撃の安定感の無さからスタメン出場の機会は少ないが、外野のバックアップ要員として現在でも存在感を発揮している。

 俊介は広陵高時代から強打者として評判で、近畿大ではファーストで選出した荒木と同学年でプレー。プロ入り後も安定した外野守備が評価されて、1年目から守備固めを中心にいきなり124試合に出場した。打撃に関しては好不調の波が大きく、長打力にも乏しいものの、高い守備力で長年チームに貢献している。昨年は近本光司の台頭もあってプロ入り後最低の6試合の出場に終わっただけに、今年は正念場のシーズンとなりそうだ。(文・西尾典文)

●西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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