失業した際、加入する健康保険については3つのパターンがあります。

【健康保険の3パターン】
1)任意継続被保険者制度の利用(退職の翌日から20日以内に申請)
 2カ月以上、会社員として健康保険組合などに加入していた場合、手続きをすれば退職しても、引き続きその健康保険を利用することができます。

 これは「任意継続被保険者制度」と呼ばれるもので、期間は原則最長で2年間。ただ社員だったときとは違い、保険料は、それまで会社負担だった部分もすべて自分で支払うことになるので単純に今までの2倍保険料を支払うことになります。ただし保険料の上限もあり、現在は標準報酬月額30万円(月収31万円未満)となっています。

 在職時に加入していた健康保険組合などによりますが、おおむね上限は3万円くらいです。メリットとしては、それまでと同様、扶養となっていた家族もそのまま扶養が継続され、さまざまな給付も引き続き受けることができます。申請先は、各自治体の全国健康保険協会支部や在職時に加入していた健康保険組合などです。

2)国民健康保険への加入(退職の翌日から14日以内に申請)
 自営業者や個人事業主が加入する国民健康保険に切り替えることもできます。国民健康保険も、自己負担は3割でこれまでと変わりません。在職時に入っていた健康保険との最大の違いは「扶養」がないこと。国民健康保険の場合は、配偶者や子どもなどの扶養家族分の保険料が加算されます。ここからが大きなポイントです。

 倒産や解雇、雇い止めなどにより退職した場合、申込時に申請すると保険料が軽減される場合があるのです。その場合、給与所得を「100分の30」とみなし(実際の3割分の金額)で計算されるので負担が軽減されます。
※この申請は、事前にハローワークで失業給付受給手続きを行っておく必要があります。申請先は、各自治体の国民健康保険担当窓口です。

3)家族の被扶養者になる
 3つ目の方法は、家族の扶養になること。つまりそのまま失業給付も受給せずに、しばらく専業主婦・主夫になるなどであれば、社会保険(健康保険・国民年金)の負担は一切なくなります。保険加入者の家族と別居していても扶養に入ることは可能です。

次のページ
退職前からどの健康保険がいいか検討を