また23年開業予定の日本ハム新球場の存在もダルビッシュ獲得への追い風になるのでは、という声もある。

北海道民の気質なのか、観客動員は微減している。ノンビリしているというか、慣れやすい気質なんです。札幌ドームも重要なカード以外は空席がかなり目立っている。新球場は札幌から少し離れた北広島市に建設が決定。最寄りに新駅設置の動きなどもあるが、現状ではかなり不便な場所。このままでは新球場を毎試合埋めるのは厳しい。目玉としてダルは絶対に欲しい選手。そうすれば(北海道移転時の)新庄剛志さん入団時以上のインパクトが期待できる」(北海道財界関係者)

 もう1球団、ダルビッシュが加入した場合に盛り上がりそうなのが巨人だ。

「巨人も欲しいはず。エース菅野智之に頼りきりの投手陣の状況が数年変わっていない。毎年のように外国人投手など、即戦力投手を補強するも大きな結果にもつながらない。ダルならコンスタントに2桁勝てる。菅野のメジャー移籍話もあるが、仮に2枚看板を形成できれば、これ以上の強力投手陣はない」

 巨人担当記者は、ダルビッシュが巨人に加入した場合の、有形無形の役割について語ってくれた。

「人気面でも大きな期待ができる。東京ドームは連日、満員発表が出ているが、実質は空席が目立つ。明らかに広島やDeNA人気に押されている。絶対的スターが坂本勇人1人という状況にもクサビを打ちたい。ダルなら全国区の人気を誇りますからね」

 プロ入り以来育ててくれた日本ハムに対抗できるだけの理由も巨人にはあるという。

「ユニホームなどを提供する巨人公式スポンサーは、サプリメントも扱っている。ダルは日本ハム時代から、契約選手として同社にサポートを受けていた。また利便性が良くプライベートも守られる、同社専用ジムをトレーニングに使用していた時期もあった。巨人も日本ハム同様、ダルと太いパイプは持っていると言える」

 最高峰か古巣か、それとも第3のチームが現れるか。1つ言えるのは、どこでプレーしても大きな話題となることだ。

「メジャーの強打者をキリキリ舞いさせる姿をずっと見ていたい。しかし野球界のみならず日本スポーツ界の救世主になれる存在。先行きが見えない日本にとってダルビッシュは大きな光だ。多くの人たちが国内復帰を熱望しているのは間違いない」(前出のスポーツ紙記者)

 恵まれた身体能力と磨き抜かれた野球技術。そして信念を発信できるバイタリティ。ダルビッシュ有から目が離せない。