歯周病の初期(歯肉炎)の段階で治療をできれば、こうしたことは起こりません。一時的にポケットができても元に戻るので歯肉炎の段階で治療をすべきなのです。

Q 歯周病は口臭の原因になる?

A きつい口臭の発生源に

 歯周病は口臭の原因となります。歯周病菌が代謝の過程で産生する硫化水素やメチルメルカプタンなどが臭いの発生源となります。

 歯周病菌の多くは酸素を嫌う「嫌気性菌」というタイプです。歯周病の特徴は歯周組織の破壊により、ポケットができることですが、ここに嫌気性菌が繁殖します。そして歯周病を進行させていきます。つまり、歯周病が進むほど口臭はひどくなります。口臭対策のためにも歯周病を治療すべきなのです。

※『続・日本人はこうして歯を失っていく』より

≪著者紹介≫
日本歯周病学会/1958年設立の学術団体。会員総数は11,739名(2020年3月)。会員は大学の歯周病学関連の臨床・基礎講座および開業医、歯科衛生士が主である。厚労省の承認した専門医・認定医、認定歯科衛生士制度を設け、2004年度からはNPO法人として、より公益性の高い活動をめざしている。

日本臨床歯周病学会/1983年に「臨床歯周病談話会」としての発足。現在は、著名な歯周治療の臨床医をはじめ、大半の会員が臨床歯科医師、歯科衛生士からなるユニークな存在の学会。4,772名(2020年3月)の会員を擁し、学術研修会の開催や学会誌の発行、市民フォーラムの開催などの活動をおこない、アジアの臨床歯周病学をリードする。