とまあ、このあたりが彼女の強みだったのだろう。芸能人生を通じて常に、少々の失敗にはへこたれず、スキャンダルをも利用しながら登り詰めていった。また、もうひとつの強みが「男ウケ」のよさであり、それは多くの青学レディに共通するものである。

 たとえば、高橋真麻(東京女子大卒)に言わせると「女性アナウンサーでも、女子校出身と共学出身は異なる」らしい。特に青学が「最強」だとして、小林麻耶と前出の田中、新井をトップ3に挙げた。彼女いわく、

「恋愛のるつぼだから鍛えられてる」「男性の前で自然にかわいい素振りができる」(「踊る!さんま御殿!!日本テレビ系) 

 というのが、その理由だ。実際、小林と田中は局アナ時代「ぶりっこ」で人気を博したし、新井がテレビ出演回数ランキング上位の常連になれたのも、男性からの好感度によるところが大きいだろう。

 考えてみれば、ファッションなどの流行先端地域に位置し、付属校も含めて共学傾向が高めの有名私立など、そうそうあるものではない。女子力と恋愛スキルを同時に学べるという意味で、青学レディは稀有な存在なのだ。

 しかも、偏差値には現れない「賢さ」があるので、別の能力でも勝負することができる。象徴的なのが田中で、彼女の姉は東大卒だ。父も東大卒だから、姉に対してはコンプレックスを抱いてきたという。その悔しさからか「ブス」呼ばわりしたという疑惑まで生まれたが、こんな反論をしたことがある。

「ブスとは言ってないです。お姉ちゃんと私とどっちがかわいい?って言われて、私のほうがかわいかったって言いました。お姉ちゃんは頭が良かったって言いました。頭が良くて、べつに顔で勝負してないよっていう」(「A‐Studio」TBS系)

 だからこそ、自分は賢さプラスかわいさで勝負できる道を選んだのだろう。

 このスタンスは、多くの青学レディにもいえるのではないか。実際、コロナ禍をめぐって「大学生が高卒になる」発言で物議をかもした蓮舫なども、原点はグラビアアイドル。社会問題への関心は昔から高かったようだが、その芸能力なくして、今のポジションには到達できなかっただろう。

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青学の野球部はなぜ強くなったのか