写真はイメージです(Getty Images)
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『日本初の片づけヘルパーが教える 親の健康を守る実家の片づけ方』(大和書房刊)の著者、永井美穂さんの主な仕事は、高齢者の家族や本人から依頼を受けて、家を片づけること。頼まれれば、全国どこへでも出かけていく。しかし、このたびのコロナ騒動。特に高齢者の住む家には頻繁には訪問できない事態になってしまった。そこで、永井さんが活用しているのが、LINEのビデオ通話やZoomを使ったオンライン相談だ。

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■高齢者の見守りの役割も

「コロナ禍の中でも、自宅に来てほしいという高齢者は多かったので、その対策としてLINEのビデオ通話を覚えてもらい、お互いの顔を見ながら会話ができるようにしました」 

 外出自粛要請が出てからは実家に頻繁に顔を出せず、帰省も控える人が多い。そんな中、片付けサービスにビデオ通話を活用することで、高齢者の孤立を防ぎ、仕事をしている家族に代わって見守りの役割も果たしているという。

 介護保険外サービスなので、話し相手といった片づけ以外のサービスも提供してきた永井さん。一人暮らしの高齢者にとって、つながっている人がいるということは大きな安心だ。

「40~50歳代の子ども世代は、ZoomやSkypeなどを使っている方も多いので、オンライン相談も受け付けています。オンライン相談を始めたのは、コロナ対策でもありますが、実家の片づけで悩んでいた人はこの機会に本気で考えていただきたい、という気持ちからです」

 もともと、永井さんの仕事は、介護ヘルパーの役割と整理収納アドバイザーの両方を担う。“片づけヘルパー“と名乗る所以だ。

 実家が片づいていないことへの不安や心配は大きくふたつ。ひとつは、「モノにつまずき、転倒してケガや骨折をしないか」「不衛生になって病気にならないか」といった健康維持や介護の心配。もう一つは、「欲しいモノがすぐ見つからず困らないか」「不要なモノは捨てて実家をすっきりさせたい!」という整理整頓の側面。ただ、不要かどうかは親自身でないとわからない。この親子間のギャップでもめるのがまたストレスだ。“片づけヘルパー”の永井さんは長年の経験と具体的な方法で解決していく。

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本棚だけ、部屋の一角だけ、ピンポイントの片づけも