「モノを必要以上に捨てたり、モデルルームのようなキレイな部屋にするのが目的ではありません。そこに住んでいる高齢者が安全で快適に生活できることに重きをおいています。それが、片づけヘルパーの仕事」

 仕事が減り、収入も減ってそれどころではない、という人もいるだろう。しかし、普段はなかなか時間がないので、家族の問題とがっつり向き合うにはいい機会といえる。

■壁紙だと汚部屋だ勘ぐられる?!ピンポイントの片付け相談も人気

 また、リモートワークが進み、Zoomで会議や打合せをするという人が増えている。そんな時に気になるのが、画面に映し出される背景だ。

「画面に映し出された自宅の様子が気になる方が多いようです。背景を仮想背景に変えることはできますが、バーチャルにしていると『汚部屋なのでは?』と変に勘繰られることも。『背景に映る本棚を整理したいのだけれど……』『リビングのごちゃごちゃ感を何とかできないか』など、ピンポイントな片づけの悩み相談もあります」

 また、オンライン相談を始めたことで、意外な効果も。

「STAY HOMEを余儀なくされたことで、この際、家を片づけようという方が増えました。とはいえ、どこから手をつけたらいいか、というお悩みは変わらずあるわけです。以前であれば相談者のお宅に伺っていましたが、相談者は『まず、ざっと片づけないと永井さんを家に入れられない……』とブレーキがかかったと言います。しかし、オンラインの場合、片づけたい場所だけを私に見せればいいということで、相談の申し込みのハードルがグッと下がったようです」

 相談者の自宅に出張していた時は、2時間から相談を受け付けていたが、オンラインなら1時間からでもOK。料金もお手頃になり、交通費を請求することもない。相談者にとってはメリットが増えたともいえる。

■まとめ買いの前に家の在庫管理をしてみよう

「小池知事が会見で、『この機会に家の断捨離をしてみてはいかがでしょう!』と呼び掛けていました。もちろん断捨離、片づけにはいいチャンスだと思います。しかし、なんでもかんでも捨ててしまうのは、私は賛成できません」

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捨てるよりもすべきこと