巨人の公式ユーチューブの“常連”でもある元木大介ヘッドコーチ (c)朝日新聞社
巨人の公式ユーチューブの“常連”でもある元木大介ヘッドコーチ (c)朝日新聞社

 SNS時代が到来して久しい昨今、旧態依然としていたプロ野球の各球団も今では様々なツール、サービスを活用し、独自の情報を積極的に発信している。選手個人によるSNSもファンとの繋がりに重要な役目を果たしているが、球団公式となるとその規模もかなり大きなものになる。その中で最近、話題となることが多いのが、巨人の公式ユーチューブである。

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 2016年3月から始まり、12球団トップの約12.8万人がチャンネル登録をしている。最多の再生数は巨人一筋で19年間プレーした阿部慎之助が、チームに現役引退を報告する様子が収められたもので160万回。最近では、2月28日に行われた「モタさん」ことイスラエル・モタの支配下選手契約会見が67万再生と数値を伸ばした。母国ドミニカ共和国に住む両親からの“サプライズ”ビデオレターに号泣する姿にファンも胸を熱くし、コメント欄には「感動した」、「泣いた」、「素晴らしい動画だ」というものに加え、素早い動画アップから両親からのメッセージ全文を掲載する配慮に「ジャイアンツ有能」、「有能すぎる」と運営側を褒める言葉も並んだ。

 特に今年に入って“勢い”を増している。原辰徳監督の新年のあいさつに始まり、3月9日までの動画アップ数は計84本。特にキャンプ開始以降は毎日1本以上、多い時は1日2、3本も当たり前のハイペースで次々と動画がアップされた。その内容もかなり濃く、バラエティーに富んだものが並ぶ。岡本和真、阿部慎之助二軍監督のキャンプ初日に密着した動画から、新フォームの習得に取り組む菅野智之のブルペン投球を間近から撮影したもの、紅白戦でのベンチ内の様子や、元木ヘッドコーチが選手たちに“いじられる”ものなど。宿舎での食事の様子や練習開始前の円陣、ブルペンやベンチの中など、普段のテレビ中継などでは見ることができない近距離からのアングルで、まるで自分がその場にいるような「一体感」を味わうことができる。

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今年に入って変化した“あるもの”