ストレスと関連が深い難聴 予防するにはメタボ・睡眠不足の解消がカギ?

石川美香子dot.#ヘルス#病気#病院
「ちょっと聞こえが悪くなってきたな」と感じたり、軽度の難聴があったりする場合、進行を遅らせるためにどのような生活を送ったらよいのでしょう。

 また、まだ難聴ではない人が難聴を予防するためにはどうすればよいのでしょうか。ヒトに対して「これが有効」と言える研究はまだないものの、動物実験ではさまざまな可能性が明らかになっています。週刊朝日ムック『「よく聞こえない」ときの耳の本[2020年版]』からお届けします。

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 加齢性難聴の予防研究をおこなっている山口大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科学准教授の菅原一真医師は、「聞こえが悪かったとしても、より聞く努力をすることが大切」と話します。

「食事におけるカロリー制限や適度な運動、質のいい睡眠などの生活習慣を保つことに加えて、聞く努力も大切です。聞き方の工夫を心がけることで、難聴の進行を遅らせることができるのです」(菅原医師)

 たとえば、聞こえが悪い人はついテレビの音量を上げてしまいますが、「音がうるさい」としばしば家族の不評を買います。「日常の中で聞く努力をするためにも、不快でない程度に聞きやすい音量に調節しながらテレビを視聴することが必要です」と、菅原医師は話します。

 イヤホンを使う、手元に小さめのスピーカーを置くなどすれば、より音の明瞭度も上がって聞きやすくなるほか、家族にも配慮ができます。

 菅原医師は難聴による認知機能の低下と認知症リスクの増大についても危惧します。

「難聴の放置により抑うつ傾向が高まり、認知症リスクも高まります。聞こえが悪くなってきたら、まずは耳鼻咽喉科医の診察を受け、必要に応じて補聴器の装用も積極的に検討する。そして聞こえの状態を改善したうえで、しっかりと聞く努力をする。それが認知症予防には重要です」(同)

 では、具体的にはどのような生活をめざすべきなのでしょうか。ヒトを対象とした研究で、難聴予防に有効かつ明確なエビデンスのある報告はいまだありません。

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