室内空間の確保も含め、さまざまな角度から比較検討できるよう、数多くのテストを積み重ね、データを蓄積することだろう。実際、2019年5月に始まったテストランから3カ月後の8月には先頭車両を方向転換して付け替え、同様の条件でどのような違いが出るのかを試している。

「ALFA-X」の挑戦的なフォルムが近未来を感じさせるように、速達性と環境性能も未来のカタチを手繰り寄せてくれるに違いない。2020年代の主役となる車両は、「ALFA-X」が据えた礎の上に活躍の軌跡を描いていくことだろう。

※本稿で紹介した試験車両は、下記で静態保存されている「Fastech360」はいずれも保存されず解体された。

●新幹線総合車両センター(宮城県利府町)
STAR21(953形) 961形

●鉄道総合技術研究所風洞技術センター(滋賀県米原市)
STAR21(952形)
WIN350(1号車)
300X(ラウンドウェッジ型)

●リニア鉄道館(愛知県名古屋市)
300X(カスプ型)

●JR西日本博多総合車両所(福岡県春日市・那珂川市)
WIN350(6号車)

○プロフィール
松原一己(まつばら・かずみ)大阪府枚方市出身。デザイン表札やステッカー制作を手がける日本海ファクトリー代表。趣味で行っていたトレインマークのトレースが高じて、ウェブサイト「愛称別トレインマーク事典」を運営する。著書に『特急マーク図鑑』(天夢人)、『特急・急行 トレインマーク図鑑』(双葉社・共著)。