今季限りで現役を引退した阿部慎之助 (c)朝日新聞社
今季限りで現役を引退した阿部慎之助 (c)朝日新聞社

 シーズン開幕時は平成31年、そして、5月から令和元年へと元号が変わった2019年。セ・リーグは、巨人が5年ぶりV。パ・リーグはソフトバンクが前年同様、CSでV2西武に雪辱、日本シリーズでも巨人を4タテし、3年連続日本一に輝いた。

 そんな激動の1年にあって、珍プレー、珍記録などB級ニュースも盛りだくさん。シーズン中、最も話題を集めたネタ10本を厳選し、ランキング形式で2019年を回顧してみた。前編の今回は10位から6位までを紹介する。(5位から1位までの後編は12月28日に配信予定)

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【10位】これも球史に残る偉大な記録?現役引退のシーズン最終打席でまさかの申告敬遠!

・9月28日 巨人vsヤクルト(神宮)

 1対1の9回1死二塁、一打勝ち越しの場面で、巨人は前日に本拠地・東京ドームでスタメン捕手&4番として引退試合を行ったばかりの阿部慎之助が代打で登場した。

 巨人はこの日でシーズンの全日程を終えるため、これが現役シーズン最後の打席。左翼席の巨人ファンはもちろん、ヤクルトファンからも惜しみない拍手が送られた。

 ところが、神宮の杜を揺るがす大声援は、一転ブーイングと溜め息に変わる。マウンドの梅野雄吾が2ボールとカウントを悪くすると、なんと、中大の先輩にあたる小川淳司監督は「勝つことが大事」と、申告敬遠を告知したのだ。

 19年の現役生活で通算885個目の四球となった阿部は「勝負だから仕方ないけど、オレらしいちゃ、オレらしい。(現役シーズン最後の打席が申告敬遠とは)史上初じゃない?球史に残る偉大な記録じゃないかな」と苦笑いだった。

【9位】「ネックレスが光って眩しい」と打者からクレームがつき、試合中断のハプニング!

・7月24日 ロッテvsソフトバンク(福岡ヤフオクドーム)

 8回に1点を勝ち越されたロッテは4対5の9回、3番からの好打順も、右背部痛から約1カ月ぶりに戦列復帰したばかりのソフトバンクの守護神・森唯斗の前に中村奨吾、レアードが連続三振に切って取られ、たちまち2死。

 ところが、次打者・角中勝也のときにハプニングが起きる。初球の125キロカーブをストライクに取られた角中が、杉永政信球審と何ごとか言葉を交わす。直後、杉永球審は急ぎ足でマウンドに歩み寄り、森に注意を与えた。

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久保田龍雄

久保田龍雄

久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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