しかし表示は側面のみ、しかも左側ではなく右側に配している。なお、Osaka Metroは純粋な方向幕の車両が多く視認性はよいが、デジタル方向幕は表示の柔軟性に定評があるとはいえ、駅ナンバリングのような細かい文字だと少々見づらい。

 ちなみに、駅ナンバリングに関する車内の英語自動放送は、関西が「Station No.」から始まるのに対し、関東ではこの部分は省力されている。

 2019年6月中旬からは、御堂筋線の4号車、谷町線と四つ橋線の5号車、中央線の2号車、堺筋線の2・7号車に弱冷車が導入されている。中央線と相互直通運転を行う近畿日本鉄道の車両と、堺筋線と相互直通運転を行う阪急電鉄の車両は大阪市交通局時代に導入済となっていたが、御堂筋線と相互直通運転を行う北大阪急行電鉄はほぼ同時に歩調を合わせた。

 ほかには、私が2019年9月に御堂筋線新大阪~天王寺間の区間運転列車に乗車した際、終点到着時に、「この電車はどこへもまいりません」という自動放送を聞いた。おそらく、他線の区間運転列車も同じ放送を流しているはずだが、乗客全員を降ろした後で“どこへもまいりません列車”は回送として引上線へ向かい、折り返すことになる。少し違和感を覚えた放送であった。

■2「駅で『変わった』点」新型券売機の導入/駅名板、案内表示の更新

 民営化直前に青い券売機が導入された。最大の特徴は、タッチパネル画面に「路線からきっぷを買う」という表示が追加され、乗車券がより買いやすくなったことだ。運賃表で目的地までの運賃を確認していた手間が省け利便性は大きく変化したが、エンジョイエコカード(1日乗車券)はまだ交通系ICカードで購入できない。東京メトロの24時間券やJR東日本の都区内パスはそれで購入できるのだから、できない理由はないはず。さらなる改善を図り、買い求めやすい環境を整えてほしい。

 また、シンボルマークは「マルコ」と称された大阪市高速電気軌道標識(○にカタカナのコを組み合わせたようなデザイン)から「moving M」に変わった。車両はすでにシンボルマークの張り替えを終了したが、一部の駅ではマルコが残る。

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