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「自己責任」のボランティアは要注意 被災生活に潜む感染症とは?

連載「ちょっとだけ医見手帖(山本佳奈医師)」

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山本佳奈dot.#ヘルス#病気#病院#破傷風
○山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

○山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

写真はイメージ(Getty Images)

写真はイメージ(Getty Images)

 日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを、2人の女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「破傷風のリスクと予防」について、NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。

*   *  *
 日本各地に大きな水害をもたらした台風19号。後片付けに追われている地域が多いなか、2週間後には低気圧と台風21号が影響し、関東甲信や福島で猛烈な雨や暴風を記録しました。冠水や洪水、河川の氾濫、さらには土砂災害が各地で発生し、10月26日時点で死者は88名に上り、行方不明の方もまだいらっしゃるとのこと。

 この場をお借りして、台風19号によりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、被災された方々に謹んでお見舞い申し上げます。そして、一刻も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。

 さて、全国各地にもたらされた今回の水害。家の中に流れ込んできた泥や泥まみれのがれきの後片付けが、今も各地で行われています。ボランティアに行かれている方も多いのではないでしょうか。

 泥まみれの後片付け作業で気をつけるべきことは、破傷風の感染です。片付けの際に手足に切り傷ができてしまうと、土や泥の中に潜んでいる破傷風菌が傷口から体内に侵入し、破傷風を発症してしまいます。重篤な場合、呼吸筋がまひして窒息死してしまいます。

 ちょうどラグビーワールドカップが開催中だったこともあり、釜石市では試合が中止になったカナダ代表チームがスコップで泥を除去するなど、ボランティア活動を行ったとの報道がありました。映像を見ると素手でスコップを持ち、半袖・半ズボンで作業をする選手ら。けがをして、傷口から破傷風感染してしまいはしないかと、心配になってしまいました。

 重症の場合、死に至ってしまう破傷風の感染は、ワクチン接種によって予防することができます。そこで、今回は破傷風についてお話したいと思います。


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