高校生になり自宅に帰るようになっても、定期的に会う“太(ふと)パパ”を4~5人つないで収入を維持し、小学生から続けていた子役やモデルの仕事で稼いだお金で、国公立大学の授業料なども賄った。これまでに会った“パパ”たちは、普通のサラリーマンや医師、中小企業の経営者、アニメや音楽関係のプロデユーサー、メディアや芸能事務所の関係者など200人以上。一時はキャバクラやラウンジバー、風俗店などでも働いてみたが、続いたのはパパ活だけだった。交際クラブへ場所を移し、会う人の地位や役職が上がっていくと、食事する場所もホテル最上階のレストランや誰もが知る芸能人らが通う会員制の料亭などへと変わっていった。知らない業界の仕事、ニュースの裏側、政治家の素顔など、パパたちから聞く話は知らないことばかりで新鮮に感じていたという。

「きれいな場所できれいにしていられること、普段は会えない人に会えること、面白いねって認めてもらえることが嬉しかったですね」

 自慢話や説教をしてくる人はブロックしたが、あくまでも「女の子は選ばれる側」だという。体の関係を持たないため、相手は自分と過ごす時間にお金を払ってくれる。選ばれるために気をつけていたことはいくつもあった。

 いつも身ぎれいにする。会話の中でさりげなく相手を褒める。悩みや愚痴をちゃんと聞く。「ごちそうさま」は食事の後と会計後、帰り際の3度言う。疲れているようなら栄養ドリンク、旅行やディズニーランドなどどこかに行く予定を話したらお土産を持っていく。会話を途切れさせないのは、いい雰囲気になってホテルなどに連れ込まれないための術でもあると話す。そして、大事なのはキャラ設定だという。

「私はウソがつけないので、パパ活女子には少ないサバサバした快活なキャラにしています。誕生日を覚えておいて、日付が変わる瞬間にメールする子もいますが、そんなマメなことはできないので、最初から『誕生日とか覚えられない!』と言っておくんです。そういうキャラならガチ恋(本気で恋)されることもなく、身の危険も少ないと思って。お手当の額を上げると言われたら、断わるようにしてますね。その方が、いい子だな~と思われる。私は薄利多売主義です」

次のページ
思わぬ落とし穴「お金ももらっていないのに…」