Q:整形外科では肩こりも診てくれる?
A:マッサージしても治らないとき、強い痛みやしびれがあれば受診を

 通常の肩こりは、ごくありふれた症状であるため、深刻にとらえて病院にかかる人は少ないでしょう。運動やマッサージをしたり、湿布を貼ったりすればたいてい改善します。通常の肩こりは、筋肉が硬くなったり、心理的なストレスが原因で起こっているため、その症状に早めに気づいて対処することが大切です。

 しかし、痛みが長引いたり、さらに悪化したり、手にしびれがあったりする場合には、ためらわずに整形外科で診察を受けましょう。例えば、若い女性に多く見られる胸郭出口症候群は、鎖骨周辺で神経や血管が圧迫されることが原因で、肩こりや腕の痛み・しびれが起こります。きちんと診断をしてもらい、適切なリハビリをすることで症状が改善します。

 また、そのほかにも内科的な病気で肩の痛みがみられることもあり、油断は禁物。例えば、狭心症で肩甲骨のあたりに痛みが現れたり、肺がんで上部に病巣があるときに神経が圧迫されて、肩の痛みを訴えたりする場合もあります。重大な病気が隠れている可能性もあるため、たかが「肩こり」と思って放置せず、早めに受診して治療を受けましょう。

Q:肩こりが目の疲れや頭痛の原因になる?
A:肩の筋肉の緊張から頭痛が起こります

 パソコン作業などで長時間座ったまま同じ姿勢で作業を続けていると、目が疲れるとともに、頸部、肩の筋肉の緊張が高まり、肩がこってきます。肩こりは、筋肉の緊張と、血行不良によって起こります。とくに首の後ろと横の筋肉に、こわばりがつよく現れます。また肩こりが起こると同時に、頭痛も起こりやすくなります。

 頭痛のタイプの一つに、「筋緊張性頭痛」がありますが、肩こりが原因で起こるケースがこれに該当します。慢性的なものでは、肩こりに加えて精神的なストレスなどが関与していることもあります。

(文/坂井由美)

【監修】
同愛記念病院
整形外科・副院長 中川照彦医師

※週刊朝日ムック『首腰ひざのいい病院2020』から