また、ドラマ「これは経費で~」の記者会見(2019年7月12日)では、「私は貸したお金は返ってこないと思うタイプ」と告白。同ドラマで多部が演じる、「何事にもイーブンに生きる」をモットーとする主人公とは逆の考え方で、「全く共感できないですね」と言い笑いを誘っていた。そんな性格ゆえ、視聴者には自分をしっかり持った魅力的な女性として映るのかもしれない。

■ベテラン俳優が「天才」と認めた演技

 もちろん女優として多部の演技力は評価が高く、共演者もベタ褒めしている。

「『これは経費~』で共演したジャニーズWESTの重岡大毅は試写会で『職人のイメージすらある。パンパンパンとOKを出して小走りで帰っていく』と多部の演技を絶賛。過去にも奥田瑛二が舞台『サロメ』(2012年)で共演した際、『天才』『体のキレ、頭の良さ、感性が素晴らしい』と褒めちぎっていました。演技力に関しては数々の賞も受賞し、折り紙付きです。また、派手さのないところは、視聴者は感情移入して見ることができますし、ある意味、他の女優とも被らない。好感度もあり、かけがえが無い存在として第一線で息の長い活躍ができると思います」(同)

 ドラマウォッチャーの中村裕一氏は、そんな多部の魅力についてこう分析する。

「ともすると若手女優のイメージすらある彼女ですが、実は10年前にNHK朝の連続テレビ小説『つばさ』のヒロインを務めているんです。5年前には松尾スズキ率いる劇団・大人計画のミュージカル『キレイ~神様と待ち合わせした女~』で主人公を演じました。さらに現在、UQモバイルのCMでは深田恭子や永野芽郁と一緒にコミカルな表情を披露するなど、活躍の場が実に幅広い。10代の頃から落ち着いた雰囲気を持っていましたが、お高く止まっている態度など見せず、非常に親しみやすい。それでいて、いざ演技となると役になりきった芝居をしっかりするので、安心して見られる数少ない実力派女優の一人です。華やかな世界に身を置きながら、ことさら派手に自分を主張しない彼女の存在感の心地よさが、今回の結婚発表における祝福の声の多さにつながっているのだと思います」

 結婚後も今まで通り仕事を続けるという多部。等身大のヒロインとして、年を重ねるたびに魅力も増していきそうだ。(丸山ひろし)

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丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

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