このガイドラインでは、2歳になるまでの推奨量は約450~700ミリリットルです。2歳を過ぎると、栄養摂取の中心は固形物になってくることを理由に、推奨されるのは低脂肪乳や無脂肪乳に変わり、量も一日450~600ミリリットルまでとなっています。アレルギーなど特別な理由がない限り、植物性のミルクは勧められていません。

 もちろん体格の違いもありますので、必ずしも450ミリリットル以上ということではないと思います。また、肥満がなく、普段の食事でも脂肪分が非常に多くない場合には、2歳を過ぎたからといって低脂肪乳に変えなければいけないとも思いません。とはいえ、牛乳は1歳過ぎからで、特に1歳台は積極的に飲ませてあげるというのは、日本でも当てはまる部分かと思います。

 次に、フルーツジュースについてです。ここでいうフルーツジュースは、100パーセント果汁のジュースのことです。果物そのままを食べるのが一番望ましいのですが、果物が十分摂取できないときには、3歳までは1日に約120ミリリットル、4~5歳なら1日に約120~180ミリリットルまで飲んで良いとされています。逆に、100パーセントでないフルーツジュースや、無果汁のジュース、その他の甘い飲み物を乳幼児が飲むのは推奨されていません。

 習慣的に甘い飲み物を飲むのは、肥満だけでなく虫歯のリスクになります。水分補給としてジュースを飲ませるのは避け、嗜好品として、100パーセントのフルーツジュースを1日あたりコップ1杯程度に留めるのがよいと思います。

 最後に、フォローアップミルクについてです。今回のガイドラインでは、フォローアップミルクも甘い飲み物と同様、推奨されない飲み物に分類されていましたが、ここは日本では状況が違います。

 実は我が家でも、牛乳のほかにフォローアップミルクを飲ませたりしています。フォローアップミルクは、鉄やビタミンDといった栄養素を補給できるメリットがあるからです。

次のページ
日本の幼児の栄養摂取状況