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「動画を撮りたい」彼の性癖に悩む26歳女性 鴻上尚史が指摘した「本当のヤバさ」とは?

連載「鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋」

dot.#鴻上尚史

【鴻上さんの答え】
 こだまさん。僕の結論は、友達と一緒です。何度頼んでも、どうしても動画を撮りたいと言うのなら、別れるしかないと思います。

 こんなにこだまさんが嫌がり、困惑し、抵抗しているのに、それでも、自分の要求を譲らないということは、彼は本当にこだまさんのことを愛しているのかと、根本的なことまで疑問に思ってしまいます。

 相手がどんなに嫌がろうと自分の要求を通そうとするということは、これから先、もし長い時間、一緒に過ごすことになったら、性癖だけに限らず、他でも同じようなことが出てくるんじゃないかと心配します。

 こだまさんの気持ちより、自分の快感、欲求ということです。

 少し前、ツイッターで、高熱で寝込んでいる妻に夫が、「夕食の時間だよ」と言いに来て、(夫が夕食を作ってくれた)と妻が感激したら、そうではなくて、夕食の時間が来た、早く夕食を食べたい、作って欲しいという意味だったというホラーのような話が話題になっていました。

 相手の事情ではなく、自分の欲求を優先した結果です。

「性癖は個人のものなので、やめてと言ったところでやめられるものではないことはわかっているのですが」と、こだまさんは書きますが、違います。

 性癖がどうしてもやめられないのなら、この世界は、犯罪者だらけになります。

 社会的に許されない性癖を止めるのは、一般的には、社会的制裁です。法を犯して犯罪者になりたくないから、みんな自分の性癖を抑制するのです。

 でも、一番強力な動機は、愛する人が嫌がるかどうかです。相手が嫌がるから、自分の性癖を要求しない。それが、恋愛関係にある二人のルールです。

「元カノとの動画をまだ持っていると言われ、わたしの動画が撮れなければ消さないと言われました」という言い方は、実は、完全にアウトです。こだまさんは、彼のことを大好きになっているので、このヤバさにはっきりと気付いてないと思いますが、この言葉からは、彼の愛を感じません。ただ、自分の欲求だけを感じます。


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