今や無双状態の千鳥のふたり(撮影/今田俊)
今や無双状態の千鳥のふたり(撮影/今田俊)

 テレビ界は10月を前に最後のクールに突入しようとしているが、お笑いコンビ・千鳥の快進撃はとどまるところを知らない。

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 2000年に結成された大悟(39)とノブ(39)は現在、レギュラー番組が不定期や単独出演も合わせると計14本に。そして10月からは「華丸大吉&千鳥のテッパンいただきます!」(フジテレビ系)が始まる。千鳥としては久々の、ゴールデン帯のレギュラー番組だ。制作会社のディレクターは次のように語る。

「いま、テレビ局に持ち込まれる企画書に最も名前が書かれているのが千鳥のふたり。吉本の闇営業騒動で、本来なら吉本芸人をMCとした新番組は立ち上げづらいところを、千鳥だけは別格扱い。実際、吉本も千鳥のふたりの過去を相当スクリーニングしたそうですが、反社との付き合いも含め何も出てこなかったのでゴーサインを出した。今後、吉本が得意とするゴリ押しがもっと行われると思います。思えば10年前、M-1グランプリでブレイクしたブラックマヨネーズも同じように“企画書に最も名前を書かれる芸人”でしたが、結局爆発的に売れるタイミングを逃してしまった。“第二のダウンタウン”を生み出すのは吉本の悲願であり、今それに最も近いのは千鳥でしょう」

 しかし、今回の新番組は博多華丸・大吉とのダブル冠番組。なぜ千鳥単独にはならなかったのだろうか。民放バラエティプロデューサーは裏事情をこう語る。

「現在、『あさイチ』でキャスターを務めている華丸・大吉は、“朝の顔”として安定の人気を誇っています。まだ千鳥はコンビとしてゴールデンでは成功していませんから、ここはNHKの顔となっている華丸・大吉の知名度を借りて、どうしても番組を成功させたいというフジテレビの思惑があるんでしょう。また、華丸・大吉も新番組のメインにすることで、番組がすべった場合の責任を千鳥だけに負担させたくない、という忖度が働いたとも言われています。実際、千鳥は『世界の村のどエライさん』(フジテレビ系)が視聴率5%以下のまま推移し、1年も持たずして打ち切りになった過去があります。今回はより安全策をとったのだと思います。千鳥は深夜番組のイメージが強いですが、すでにノブは『ぐるナイ』の看板企画である『ゴチになります!』にレギュラー出演中。コンビとしてもゴールデンでの笑いの獲り方をすでに熟知しています。追い風も上々なので、きっと今回の新番組は当たると思います」

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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第2のダウンタウンとなるか?