■評価が高い「テレビ千鳥」「相席食堂」

 新番組への期待は高まるばかりだが、4月から始まった深夜の冠番組「テレビ千鳥」(テレビ朝日系)もすでに高評価を得ているという。前出のディレクターは言う。

「もともと深夜番組は千鳥の得意とする枠なので誰も心配はしてなかったのですが、スタート半年でここまで世界観を確立できるとは思いませんでした。大悟の強烈なボケとノブの嘆きツッコミがさく裂し、深夜2時台なのに業界視聴率は相当高く、今夏のテレビ朝日の夏祭りでも深夜番組ながらイベントブースを出すほど。現在、宮迫さん不在の『アメトーーク!』が視聴率的に苦戦しているため、『テレビ千鳥』が同枠に昇格するのも時間の問題とも言われています。今回のフジの新番組で高視聴率を獲れば、来年4月のタイミングで昇格はありえると思いますよ。また、関西ローカルの深夜番組ではありますが『相席食堂』の評価もすこぶる高い。民放公式テレビポータルTVerのランキングでは常に上位に食い込み、東京のバラエティスタッフがこぞって面白いと言ってる。ロケができなそうなタレントにロケをさせ、千鳥がツッコむだけというかなり“ローカロリー”な番組なのですが、いまの千鳥ならこれをそのままゴールデンに持っていってもウケると思います」

 TVウオッチャーの中村裕一氏は、快進撃を続ける千鳥の今後を次のように分析する。

「安定した面白さを誇るレギュラー番組はもちろん、それぞれピンでゲスト出演する番組でも笑いをしっかり取っています。大悟は先日NHKで『大悟道』という異例とも言える個人の冠番組枠をもらい、生放送で芝居に挑戦するなど、多忙に関わらず新しいことにも挑戦している。まさに絶好調のコンビと言っても良いでしょう。どんなシチュエーションでもどんな相手でも必ず笑える変幻自在なツッコミを繰り出すノブと、大御所である志村けんにの寵愛を受け“天性の人たらし”である大悟のコンビネーションは最強です。しかも2人には『漫才』という最も強力な武器があります。10月から始まる単独ライブ『千鳥の大漫才』のチケットは当然のように即日完売で、関係者すらまったく手に入らないほどの大人気。そんな彼らのスキルをもってすれば、テレビでブレイクすることはある意味たやすいことでしょう。不謹慎かもしれませんが、よっぽどのスキャンダルでも起こさない限り、この勢いはまだまだ続くでしょう。今の千鳥にウィークポイントはまったく見当たりませんね」

 まさに死角なしの千鳥。来年は結成20周年を控え、“第2のダウンタウン”としての地位を盤石なものにできるのか。期待して見続けたい。(藤原三星)

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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