田村耕太郎さん
田村耕太郎さん

あおられても焦らず対処(※写真はイメージ/ニングル/PIXTA)
あおられても焦らず対処(※写真はイメージ/ニングル/PIXTA)

「アホとは戦うな。時間の無駄である」と提唱する、元政治家であり、現在はシンガポール・リークアンユー政治大学院で教鞭を執る田村耕太郎さん。しかし、シリーズ75万部を突破した著書『頭に来てもアホとは戦うな!』の読者からは、「それでも戦ってしまう……」と多くの悩みの声が寄せられているという。

 日々の仕事・暮らしの中で「アホ」に悩んでいるあなたに、ちょっとでも気持ちが楽になるヒントを田村さんが提案する連載「アホから解放される相談室」。今回は「絡んでくる攻撃的な人」について。

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【相談】 最近悪質なあおり運転が話題になっています。あのように勝手に被害者面してきて勝手にキレてくる人物に出会った場合、いったいどうしたらいいのでしょうか。田村さんのご主張である「戦うな」はわかるのですが、かといって逃げられない場合の対処法が知りたいです。

■ポイントは「戦意を高めない」こと

 私は幸いそういう人に出会ったことはありませんが、公共の場で攻撃的になる人が増えていると友人知人から聞きます。あおり運転だけでなく、混雑した駅や電車内でわざとぶつかってくる人もいるといいます。

 彼らは、なぜそんなことをするのか。精神的に参っているのか? 体のどこかに不調があってイライラしているのか? 残念ながら、理由を考えても仕方ありません。

 まずできることは、とにかくこういう相手を刺激しないことです。

 くれぐれも戦意に火をつけてはいけません。暴発しそうになっている人を見つけたら、さわらぬ神にたたりなし、君子危うきに近寄らず、の精神です。

 戦意に戦意で向き合ったらお互いに不幸なだけですし、下手に鎮めようとすると「大きなお世話だ! やるか?!」といった逆効果に陥るかもしれません。

 こうした自分が不快な思いをしないためには、第一に災害を避けるような心がけが必要です。例えば、追い越し車線を走り続けない、混雑している駅は極力避ける、夜道や人が少ない道を避ける、スマホを操作しながら歩かないといったことを実践してみましょう。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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