とはいえ、どんなに気をつけても突如現れるのが彼らの怖いところでもあります。どんなに注意していても、彼らに目をつけられてしまうこともあるでしょう。

 万が一遭遇してしまった場合は、次のように冷静に対応するのがいいでしょう。

 あおり運転なら絶対に窓を開けない。車のナンバーや運転手の写真をこっそり撮る。車内に友人や家族がいたら車内から警察に連絡。電車での不審者、あぶない通行人がいたら、刺激しない程度にゆっくり距離を置く。攻撃を受けたら、バッグなどで防御。腕に覚えがあっても、相手が刃物等を出してきたら絶対に不利なのでこちらからは反撃しない。戦意を高めない。目をそらす……。

 私の用心深い友人には、「バックパックにノートパソコンと水のボトルを入れ刃物でも貫通されないように携帯しておく」という人もいます。そこまでどうかと思いますが、荷物でかなり攻撃も防御できるようです。

 また、基本的にこういう人は相手を屈服させたいと心の中で思っているでしょうから、攻撃されたら、わざとらしくない程度の「やられたフリ」が効きます。「参りました」という姿勢です。

 攻撃的な捨て台詞を吐かれたとしても、卑屈になる必要はありませんが、カッとなったり、効いてないぜといった反応はしない方がいいと思います。

 まず自分が不快な思いをしないためには、予防と準備が一番です。とにかく「ターゲットにならない」「戦意を高揚させない」ことが大切です。

 また当然ではありますが、あおり運転や“ぶつかり”は犯罪となりうる危険な行為です。身の安全を確保して通報しましょう。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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